茨城大学での勉強会では、全国大会に備えて難易度の高い実験を行った

高校生が科学の知識や応用力を競う「第4回科学の甲子園全国大会」(科学技術振興機構主催)が3月20日から23日まで、茨城県つくば市のつくば国際会議場などで開催される。618校・7650人が参加した都道府県予選を勝ち抜いた47校がしのぎを削るこの大会に、地元茨城からは水戸第一高校が出場する。全国制覇に向けて、大学で勉強会を行うなど準備に余念がない。
(文・写真 大橋哲也)

「優勝を」大学で特訓

昨年11月に2年生6人で県予選を制した茨城・水戸第一高校は、その後加わった2年生2人を含む8人で全国大会に臨む。8人の部活動は化学、天文、陸上、卓球、棋道(将棋・囲碁)など幅広く、皆が科学好き。「昔から科学は好きでした。陸上以外の違う世界を見てみたいと思って参加しました」と陸上部の金光晴香さん。
 優勝を目指す水戸第一高校を後押ししようと、茨城県教育委員会は2月1日に茨城大学理学部での勉強会を企画した。全国大会で出題される実技競技の対策として、メンバーは同大教授の指導の下、3つの実験に没頭した。金光さんは「学校では実験をする機会が限られているので、全国大会に向けてプラスになりました」と自信を深めた。

茨城大で実験の特訓。「科学の甲子園で出題されるものよりレベルは上」(チームの顧問・山口悟先生)だったという

70キロ歩いた精神力発揮

メンバーはほぼ毎日、放課後に全員で集まり、実技競技の対策を練るために議論を重ねている。また、筆記競技では授業で履修していない範囲からの出題に備えて、教科担当の先生から指導を受けている。齋藤真生君は「知識に加えて、2日かけて約70キロを踏破する学校の伝統行事『歩く会』で鍛えた精神力を発揮して優勝したい」と力強く語った。

メモ 科学の甲子園全国大会 科学の知識や活用力を競う。理科・数学・情報から出題される筆記競技と、ものづくりやコミュニケーションの能力などで課題を解決する実技競技が行われる。いずれも教科書を超えた範囲からも出題される。高校1・2年生6〜8人でチームを組んで出場する。