昨年、高校生新聞が実施したアンケート調査「高校生白書2013」では、「自宅にパソコンがある」と回答した高校生は83%に上った。インターネットの普及に伴い、大学入試においても、紙の願書に代わり「WEB出願」を導入する大学が増えつつある。WEB出願の特色を知り、賢く活用していこう。   (文・安永美穂)

大学入試の出願方法は、大学ごとに定められていて、主に次の3つのパターンに分けられる。①紙の願書を購入して自分で記入し、大学に郵送する②願書のフォーマットを大学のウェブサイトからダウンロードして記入し、大学に郵送する(推薦入試やAO 入試といった特別入試の場合に多い)③大学のウェブサイト上で願書を入力して送信する(調査書や写真などは後日郵送する) 紙とWEBのどちらでも出願できる大学もあり、同じ大学でも学部や学科、入試方式などによって出願方法が異なる場合もある。ここでは、今後さらなる増加が予想される③のWEB出願のポイントを見ていこう。

手間がかからず検定料の割引も

WEB出願では、

「大学ウェブサイトの画面上で必要事項を入力」

→「検定料の支払い」

→「調査書・写真(必要な場合はセンター試験の成績請求票も)などを郵送」

→「大学から受験票が届く」

という流れで、出願手続きを行うことができる(一般的に、出願にあたりメールアドレスを取得しておく必要がある)。

WEB出願の特色は、紙の願書を送る方法と比べると、手間と時間がかからずにすむこと。願書を取り寄せたり、書店で購入したりする必要がなく、記入ミスがあった場合には画面上で指摘されるため、簡単に訂正できる。さらに、大学によっては、検定料をコンビニや銀行ATM、ネットバンク、クレジットカードなどで決済でき、営業時間内に郵便局や銀行の窓口に行って振り込む手間を省ける。また、願書提出の締め切り間際での出願も可能になるため、受験直前の志望変更や、2月までの入試結果を受けて3月に実施される入試に出願する場合などにもスムーズに手続きが行える。さらに、WEB出願を利用した場合に検定料の割引を行う大学があるのも、受験生には大きな魅力だ(ただし、WEB出願を実施していない大学でも、複数の学部を受験する際の割引制度があったり、学部をいくつ受けても検定料が変わらない定額制パックを設けたりしているケースがある。

郵送が必要な書類もあるので注意

出願時の注意点としては、受験科目の選択ミスがないかをよく確認し、手続き完了後に画面に表示される出願番号(整理番号)は控えておく。出願はウェブ上で行えても、調査書や写真(センター試験利用入試の場合は成績請求票も)などは後日郵送するケースが一般的なので、いつまでに何を送る必要があるのかもよく確認しておきたい。

WEB出願は、紙の願書を印刷・発送したり、届いた願書を確認して不備があれば受験生に問い合わせたりといった作業を省き、入試にかかるコストを削減できるという点で、大学側にとってもメリットがある。「高校生白書2013」によると、WEB出願を「利用したい」という進学希望者は42%だったが、大学・受験生の双方にメリットがあるWEB出願を実施する大学は、今後ますます増えていくことが予想される。

興味のある大学のウェブサイトを定期的にチェックして、どのような方法で出願ができるのかの最新情報を調べておくことが、自分に最適な方法でスムーズに出願をすませるための第一歩だといえそうだ。