スピードランナー高橋(左)を擁して全国入賞を目指す西脇工

西脇工(兵庫)陸上競技部女子が、21年ぶりに全国高校駅伝(12月21日・京都)に出場する。女子の兵庫県予選は須磨学園が20連覇中だったが、今年の県予選(11月2日・篠山市)では1区から一度も首位を譲らず完勝した。全国優勝8度を誇る男子と共に都大路を走る。
(文・写真 中尾義理)

部員21人「全員駅伝」

県予選では1区・南美沙希(1年)=兵庫・龍野東中出身=と、全国高校総体(インターハイ)女子800メートル優勝の2区・高橋ひな(1年)=同・山陽中出身=の2人で、須磨学園に1分7秒差をつけ、勝負を決めた。優勝タイム1時間9分43秒は全国出場チーム中5番目。1991年の7位入賞を上回る成績が期待できる。
 優勝テープを切った村上智美(2年)=同・旭丘中出身=の歓喜の第一声は「部員21人の全員駅伝ができました」。主将の坂本茉矢(3年)=同・志方中出身=も「走る選手もサポートのメンバーも、それぞれの仕事をやれた結果です」と胸を張る。
 陸上部女子監督に就任して5年目の前田泰秀先生は同校OBで、94、95年の男子全国2連覇のメンバーだ。「男女そろって全国を走らせたい一念でやってきました」と感慨深げに話す。
 全国出場のチャンスは昨年もあった。県予選で須磨学園に敗れたが、全国大会が5年に1度の女子記念大会。近畿大会で各府県代表を除く最上位校に与えられる近畿代表の1枠が残されていた。しかし京都府予選2位の桂に18秒先着を許した。悔し涙は今回の兵庫制覇の力になった。

「全国で戦う」目標に

「全国で戦う」が今季のチーム目標。高橋ら有望な1年生も加わり、「チームが底上げされ、勢いがつきました」と坂本。朝練習はそれまでの補強メニュー中心から、6000メートル走などへと強度が上がった。
 晴れ舞台に向け、「全部員で戦う」(坂本)、「笑顔でたすきリレーする」(高橋)とムードが高まる。西脇工は女子も強い。そんな駅伝を披露するつもりだ。

TEAM DATA
陸上競技部の女子部員全員が中長距離選手。全国高校駅伝には女子第1〜3、5回大会に出場。全国制覇8度の男子と共に「心のたすきリレー」を掲げ、人間性と競技力を磨く指導を行う。OGにシドニー五輪女子マラソン7位の山口衛里さんがいる。