12 月28 日、広島県立総合体育館で開催された第43 回全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)の女子決勝。全国高校総体(インターハイ)覇者の桜花学園(愛知)が聖カタリナ女(愛媛)を88-79 で下し、3年ぶり18 度目の冬の女王に輝いた。 (文・写真 白井邦彦)
第3クオーター(Q)が終わった時点でリードはわずか3点。最終Q開始早々には逆転される苦しい展開となった。
だが、ここから桜花学園はエース河村美幸(3年)=愛知・東山中出身=を中心に、インサイドを攻めてゴールラッシュを見せると、相手の猛攻をしのいで勝利。ベンチからも選手が駆け出し、うれし涙でコートをぬらした。
インターハイを制した後は、アクシデントが続いた。10月に司令塔の山田愛(3年)=愛知・朝明中出身=が負傷で離脱し、11月には河村が腕の関節と骨を痛め、全体練習に合流できないままウインターカップを迎えた。大会中には、山田の代役を務めた森田菜奈枝(2年)=福岡・高見中出身=が3回戦の岐阜女戦で前歯を折った。
森田は「前歯をけがした時も『山田の分まで走る』と本人に約束した。自分を信じて、絶対に勝ってやるという気持ちでプレーした」と振り返った。決勝で40得点を挙げた河村は「自分がけがした時は、みんなにカバーしてもらった。前歯を折って話しにくい森田の指示を全員でコールバックして、支え合ってきた」と語った。最終Qで見せた底力は、さまざまな困難に耐え、育んだ〝絆の力〟がもたらしたものだった。
3位決定戦では、残り0.9 秒で決勝点を決めた昭和学院(千葉)が、山村学園(埼玉)を74-72で下した。