高校生新聞では6月13日、総合型選抜で合格した慶應義塾大学、立教大学の学生2人をゲストに迎えた「インスタライブ」を開催した。学生たちに自身の受験生活を振り返ってもらった。視聴者からの質問にも答えた。(椎木里咲)

学生2人を招きインスタライブを行った

「受かったらラッキー」マインドで受験

アオイさん(仮名、慶應義塾大学総合政策学部4年)

【きっかけ】先生に勧められて

高2の2月ごろに総合型選抜に興味を持ちました。当時読んでいた本の著者が慶應の総合政策学部の先生で、この先生のもとで学びたいと思ったんです。当時は生徒会活動などをしていたので、担任の先生から「総合型選抜で受けてみたら?」とすすめられました。

【準備】自己アピールでポスターづくり

私はコロナ禍がぶつかったので、今とは形式が違うかもしれないのですが、1次選考は2000字の志望理由書、3分程度のプレゼン動画、自己アピール用にA4の自由記述ポスター2枚を作る必要がありました。

志望理由書は何度も書いて、何度も担任の先生に添削してもらいました。プレゼン動画は志望理由書に即して大学でやりたいことを説明する動画だったのですが、スライドもしっかり作り込んで、学校の教室を借りて撮影しました。A4のポスターは、1枚は過去にやってきたこと、もう1枚は大学での目標をまとめました。

大学での目標をまとめたポスター(写真・アオイさん)

【面接対策】校長先生にも面接官を依頼

主に担任の先生に相談し、志望理由書の添削などをお願いしていました。面接練習は担任の先生以外にも、学年外の先生など校長先生など、いろいろな先生にお願いしました。動画はほとんど誰にも相談せず、自分ひとりで作りました。

【一般受験準備はした?】むしろ一般対策に注力

総合型選抜には、「落ちる想定」しかしていなかったです。倍率もすごく高いし、「受かったらラッキー」くらいの気分でした。そこまで総合型選抜の対策に力を入れず、一般受験の勉強の合間にやっていた……くらいの感覚です。

一般受験を目指す人はみんなコンスタントに勉強しているので、総合型選抜にかけすぎて失敗した時に、追いつくのがすごく大変だろうな、とわかっていました。総合型選抜には注力しすぎず、一般受験の比重を重くしていました。

「落ちると思って」一般選抜と並行して準備

ヒマリさん(仮名、立教大学社会学部2年) 

【きっかけ】論文を書くのに慣れていた

高1のときに、母から「総合型選抜」という受験方式を教えてもらいました。もともと課外活動が好きだったので、1年の時から論文を書くなどしていたので、「総合型選抜で受けてみてもいいかも」と思ったんです。

私は小学生のころからメディア関係の仕事に就きたいと思っていたので、大学もメディア関連の勉強ができるところがいいと思っていたところ、立教の社会学部を見つけました。

【準備】好きな宝塚をテーマにレポートまとめ

1次選考は2000字の志望理由書と、与えられたテーマに対する研究のレポートがありました。1次選考が通ったら小論文と、1次選考で出した研究に対するプレゼンがありました。研究のテーマが「現代と社会とメディア」だったので、もともと好きな宝塚歌劇団と、宝塚歌劇団と対照の特徴を持つ歌舞伎を、ジェンダーと絡めて研究し、まとめました。

立教の小論文は、与えられた三つのキーワードを必ず入れて書く方式。大学に問い合わせても字数が分からず対策が難しかったのですが、なるべく長めに書くように練習していました。

いざ当日受けてみると、解答用紙にマス目がなく行が引いてあるだけ。字数の指定がなく、解答用紙におさまればよい、というかたちでした。

【面接対策】先生から容赦なくツッコミ

学校の面接対策に申し込んで、何人かの先生に見てもらいました。志望理由など一般的な面接対策をしてもらったり、研究に対する質問を突っ込んでもらったりしました。社会学部だったので、ジェンダー問題などに詳しい社会の先生にもお願いしました。

母にも手伝ってもらいました。想定質問を投げかけてもらい答えていたのですが、「この質問にはこう答えればいいかな?」と一緒に考えてくれて心強かったです。

志望理由書は担任の先生に添削してもらっていました。

面接対策で作った想定問答集(写真・ヒマリさん)

【一般受験準備はした?】「落ちるものだ」と思い並行した

総合型選抜の合格発表が12月に入ってからだったので、もしも落ちていたら共通テストまで約1カ月しかありませんでした。ショックを引きずらないためにも、「落ちるものだ」と思って、一般受験の勉強と並行していました。

私は古典と英語が苦手だったので、まずは高2の夏に古典を完璧になるよう勉強しました。英語は高3の春に一度基礎から復習しました。赤本を解き始めたのは高3の秋ごろでしたが、ちょうど総合型選抜の1次選考が通った時期。「やっぱり受かりたい!」という思いが芽生えるので、2次選考の1~2週間前は総合型選抜対策に注力しました。

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