やるべきことを後回しにして直前に後悔……なんて経験のある人、いませんか? 苦手な教科ほど、なかなかやる気が起きないですよね。20歳で学習塾を創業し、4000人以上の生徒を直接指導してきた石田勝紀さんに、読者から寄せられた「苦手な教科を後回しにしてしまう」というお悩み相談に答えてもらいました。

【お悩み】苦手な教科を後回しにしてしまう

苦手な教科や嫌いな教科、提出まで時間のある提出物をついつい後回しにしてしまい、提出前々日から前日に慌ててやる羽目になることがよくあります。苦手なのは、国語と実技教科。国語は「○字以内でまとめなさい」という記述問題、実技教科は自分の意見をまとめるプリント課題が苦手です。何を書きたかったのか、書いている最中に分からなくなってしまうからです。

苦手な教科を後回しにしてしまう……

テスト後は「テスト直しのレポート」を書かないといけないのですが、これも後回しにしてしまいます。すべて提出までに間に合わせられてはいますが、もう少し書きたかった所が書ききれなかったり、やろうと思っていた予習・復習ができなかったりすることがあります。どうやって対処すればいいのでしょうか?(トロイメライ・中学2年女子)

脱・後回し癖のためにできることは?

こんにちは。石田勝紀です。「すべて提出物を期限までに間に合わせている」というのは素晴らしいことです。中学2年生で、トロイメライさんのようにすべての課題を提出できる人は多くありません。どんなにギリギリでも帳尻を合わせられるのは、とてもすごいです。

ただ、「苦手な教科や嫌いな教科を後回しにする癖」は気になりますね。このままだと「いつか提出が間に合わなくなるのでは?」と不安に思うのも当然です。では、どうすればよいでしょうか? 今日はその解決方法をお伝えします。

やるべき一歩は「行動の見える化」

解決のポイントは、「行動の見える化」。つまり、「スケジュール管理」をすることですね。実は私も中学生のときは怠け者で、課題を忘れたり、苦手教科を後回しにしたりしていました。ところが、中学2年生で「スケジュールで自分を管理する方法」を知り、大きく変わったのです。やるべきことがどんどん進み、気持ちが楽になりました。

スケジュール帳を使って自己管理を始めてみよう

【スケジュールの管理術】苦手な教科は好きな教科で挟む

これまでに何千人もの中学生を教えてきましたが、このスケジュール管理を実践してもらうと、多くの子が驚くほど変わりました。では、その方法を詳しく説明しますね。

  • 【スケジュール管理の手順】

  • 1.1週間見開きのスケジュール帳を2~3週間分用意。
  • 2.学校の授業時間以外で、自分の勉強や宿題をする時間に「何をやるか」を書く。まずは1週間分でOK。
  • 3.スケジュールは次の順番で立てる。
  •   ①「やってもいい作業」や「好きな教科」から書く
  •   ②「苦手教科」や「気乗りしない作業」を入れる
  •   ③「やりたい作業」や「楽しい教科」で締めくくる
  • 4.提出物の期限も記入。今週だけでなく、来週や再来週の提出物も書く。
  • 5.提出物は、期限までの日数で割り振る。例えば「3日後の提出なら1日目は下書き、2日目は清書」というように計画。これがポイントです。
  • 6.スケジュール表は目に見える場所に置き、終わった作業は赤ペンで消す。終わらなかった場合は翌日に移動。
  • 1週間ごとにスケジュール立てて管理してみて 

こうして「見える化」すると、苦手な教科もやりやすくなります。特に、苦手な作業を「やりたい作業」の間に入れると、気持ちが楽になります。

【記述問題の克服法】いきなり指定字数でまとめない

次に、「国語の記述問題や意見を書くことが苦手」という悩みですが、これにもコツがあります。特に「◯字以内でまとめる」という問題は難しいですよね。以下のポイントを試してみてください。

【記述問題のコツ】

  • 1.いきなり「◯字以内」で書こうとしないこと
  • 2.問題に対して「一言で答えるなら何?」を考える
  • 3.次に、その答えを「友達に口で説明するなら?」と考える
  • 4.それを文章にしてシンプルに書く。
  • 5.最後に、文字数が多ければ削って調整
記述問題は「友達に口で説明するならどうするか?」考えてみて(写真はイメージ)

意見をまとめる作業もこのやり方を続けるとできるようになります。提出物や苦手教科は、スケジュールでいかに自分をやらせるように仕組んでいくかです。ぜひ、試してみてくださいね。

 
石田勝紀さん 
いしだ・かつのり 教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば
』(集英社)など著書多数

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