伊藤璃乃さん(S高校2年)は、思い出を保存し共有できるアプリ「mappy」を開発。アプリ制作の全国大会「アプリ甲子園2024」(丸井グループ、ライフイズテック主催)の一般開発部門で優勝し、総務大臣賞を受賞した。(山田悠樹=学生ライター)
「エモい」思い出を友達と共有
「mappy」は、場所と思い出をつなげられるSNSアプリだ。その時、その場所で感じた「エモい」思い出を、写真や音楽、場所で記録し、メッセージ(手紙)を付けて共有できる。
共有された人は、アプリに記録された場所を訪れると、アプリ上に保存された写真やメッセージを見たり、音楽を聞いたりできる。時間がたっても、その場所を訪れるたびに、当時の感情や思い出が鮮明によみがえるという。
寄せ書きのようにみんなで手紙を書けるモードも搭載。自分で書いた絵をスタンプとして思い出にデコレーションできるような機能もある。
友達からもらった手紙が原動力に
開発したきっかけは、友達から手紙をもらった経験にある。手紙をもらったとき、友達は一緒に曲もすすめてくれた。手紙を読み返しながら曲を聞くと「自然とその時の情景や感情を鮮明に思い出し心が揺さぶられて、なんとも言えない、Z世代が『エモい』と表現する感情になったんです」。
つらかったり自信をなくしてしまったりしたとき、手紙を読み返すことで乗り越えられた。何気なかった日々、思い出が「頑張り続ける力」となることを実感しているという。
アプリには、そんな「エモい」体験をより多くの人にしてもらいたいという思いが込められている。
アプリ開発のために通信制高校へ
伊藤さんはアプリを開発するにあたって、通信制の高校に転校した。レポートの提出とアプリ開発に専念する日々を送った。優勝が決まり、伊藤さんは「夢に見てきた場所なのでうれしい。アプリ開発に関わってくれたメンターさんや先輩やお母さんにも感謝したい」と話した。
アプリはAppStore(https://apps.apple.com/jp/app/mappy/id6557069354)からダウンロードできる。