第44回全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)女子決勝が12月28日、東京体育館で行われ、桜花学園(愛知)が岐阜女(岐阜)を79-69で破り、2年連続19度目の優勝を達成した。(文・写真 青木美帆)

今年度の全国高校総体(インターハイ)と国体を制し「高校3冠」に王手がかかっていた桜花学園。今大会も優勝の最有力候補と見られていたが、その道のりは苦しかった。山田愛主将(3年)=三重・朝明中出身=をはじめとする主力3人が大会直前と大会中に故障し、3選手の出場時間を制限しながら戦った。準決勝の聖カタリナ女(愛媛)戦は68-65と辛勝。試合後、ロッカールームに下がる選手たちの表情は硬かった。

決勝は、全員が攻めの気持ちで戦った。180㌢の馬瓜エブリン(3年)=愛知・東郷中出身=が岐阜女の187㌢の留学生センターをマークし、過去の対戦から相性が良いと判断されて出場した西山詩乃(3年)=徳島・徳島中出身=が期待通りの活躍。岐阜女の鍛えられたディフェンスに苦しむ場面もあったが、ピンチの時は今大会初めて30分以上プレーした山田が笑顔と声掛け、そして自らのシュートで選手を落ち着かせた。

話し合い重ねた1年

近年、遠のいていた3冠を取るための1年間。学年ごとやチーム全体のミーティングで一人ずつ反省点などを発言するようにしてきた。馬瓜は「あまりにも率直に言い過ぎるから、周りから仲が悪いと思われていたくらい」と笑い、山田は「悪いことを言い合っても、最後は円陣を組んで『頑張ろう!』と声を出して切り替えてきた」と胸を張る。3冠という大きな目標と、それにひも付けられた強固な信頼関係が、目標達成の大きな助けとなった。

チームデータ: 1980 年創部。インターハイ18 度、ウインターカップ19 度の優勝を誇る。渡嘉敷来夢(JXENEOSサンフラワーズ)、高田真希(デンソーアイリス)ら多くのWJBL 選手を輩出。