竹内萌さん(愛知・天白高校2年)の写真作品「あっ」を紹介します。床に落ちた消しゴムを拾おうとした男女の「キュン」とする瞬間を収めたこの作品は、第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)の写真部門で奨励賞を受賞しました。どのように撮影したのか聞きました。

あっ(第46回全国高等学校総合文化祭 写真部門 奨励賞)

授業中のふとした場面を表現

―作品のテーマを教えてください。

作品のテーマは「授業中のふとした一場面」です。

―こだわったり工夫したりしたポイントはどこですか?

服の袖を写すことで「男子の腕の方が長いので、女子よりも先に消しゴムに手が届く」という場面の流れが感じられるように意識して撮影しました。冬服なので暗い印象にならないように光や明るさにこだわり、暖かみのある雰囲気を出すようにしました。

―難しかった点、苦労した点を教えてください。

光の角度と写真の色味です。冬の部活動の時間だとすでに日が沈みかけていて、夕日が差し込み、濃いオレンジが際立ち、切ない印象になってしまいました。なので、午前の明るい時間に日当たりのよい教室で撮影しました。

しかし直射日光が当たっていると明るすぎたり、一部発光したりしているように見えてしまうため、場所やカーテンを調整して乗り切りました。

知らない先輩にも協力あおぐ

―撮影中、印象に残っているエピソードはありますか?

手のモデル以外にも、前後に座る人などたくさんの人の協力が必要な撮影だったので、人を集めるために全く知らない先輩にも声をかけてまわりました。いきなりのお願いにも関わらず、快く撮影に参加してくれたり、教室を貸してくれたりして本当に感謝しかないです。

大会が終わった今でも、廊下ですれ違ったときにあいさつしたり、お話をしたりして仲良くしていただいています。

―よい作品を作るためのコツ、上達するためにおすすめの練習方法を教えてください。

アイデアで困ったときは、人が幸せになる写真を考えるようにしています。練習方法としては、プロやアマチュア問わず、いろいろな写真を見て表現方法を学ぶこと、とにかく実際に撮ってみることを心がけています。