ドラマ&映画『【推しの子】』でルビー役を演じた女優の齊藤なぎささんは、アイドル活動に全力を注いだ自らの高校時代の経験を糧に、女優業の仕事でも輝きを放っています。齊藤さんに高校生記者がインタビューし、高校生が心地よい人付き合いをするためのヒントを教えてもらいました。(取材・堀口遙=高校生記者、構成・中田宗孝、写真・玉井幹郎)

オフはひとり時間を満喫「自分の心を軽くしよう」

―高校生からの質問です。「『あの一言は良くなかったかも……』『空気読めてなかったかな……』と、よく一人反省会をしてしまいます。もっと気楽な人間関係をどうしたら築けると思いますか?」

私も人に気を遣い過ぎちゃって精神的に疲れてしまうタイプ。だから私生活では、自分の心を第一に大事にするようにしたんです。ひとりの時間を満喫する。心許せる友人には本音で話す。人づきあいをシンプルにして自分の気持ちを安定させて、気楽なオフを過ごしています。

でも学校生活の中では、そううまくはいかないですよね。私も仕事現場では、多くの方と接する機会があるので分かります。自分の心が軽くなる人づきあいを考えてみてください。

齊藤なぎささん(ヘアメーク:夢月(Three PEACE)、スタイリスト:大山諒子)

高校受験とコンサートが重なった

―どんな高校生でしたか?

アイドルを頑張っていました。「それしかない」と言い切れるくらい。私は13歳でアイドルになってからは、高校時代もずっとアイドル活動の日々でした。

高校受験の日程が、私が所属していたアイドルグループの1stコンサートの時期と重なっていて大変でしたし、受験当日はダンスの振り付けを覚えなきゃいけない日でもあって……(苦笑)。さらにドラマ撮影も始まって、もう頭がパンク状態でした。

―学業と芸能活動をうまく両立させるのは大変ですね……。

勉強と仕事、頭を切り替えるのがベストだと思うのですが、実際は、動画でダンスの振り付けを確認しながら、ドラマの台本を覚えて、仕事中のちょっとしたスキマ時間に勉強して……。もう切り替えができないくらいのスケジュールなんです。とにかく目の前のことをやるしかない。

でも、幼いころから自分が憧れていたアイドルになれてからの活動は、本当に一生懸命に取り組んでいたと言えます。アイドルってキラキラしていて、光のような星のような存在なんです! 

―ベストセラー漫画を映画化した『【推しの子】-The Final Act-』で、アイドル活動を始める女子高校生のルビーを演じます。どうやって役作りしましたか?

原作の読み込みを大切にしました。ルビーちゃんの性格や生い立ちを深く理解する。そして、彼女のキャラクターと私自身とが重なる部分を見つけて、役に近づけるよう意識したんです。

自分でも驚くぐらい、ルビーちゃんは私と共通点が多くて。アイドルがすごく好きなのがきっかけで、自らもアイドルを目指すというのも私と同じ。喜怒哀楽がわかりやすい部分も似ています(笑)。今作の台本はもちろん、アニメも見て、ルビーちゃんを知れば知るほど「私っぽいな、自分にぴったりの役柄だな」と感じました。

 

アイドル経験が生きた

―齊藤さんのアイドル活動の経験は、ルビー役の演技にどう役立ちましたか。

劇中では歌とダンスのシーンが多くて、自分がアイドルとして過ごしてきた経験がとても活きたなと思っています。特にライブシーンでの撮影は、アイドル活動していたからこそ、パフォーマンスをしながら客席のファンの方々へのレスポンス、歌ったり踊ったりしているときの目線の使い方など、ステージ上での細かい動きまで演じられたんです。

ライブシーンの撮影前には、ダンスの振り付けも覚えなくてはいけません。でもアイドル時代、1日で振り付けを完璧な状態に仕上げなきゃいけないタイトなスケジュールもこなしてきたので、今作でのダンスの振り入れの作業も大変さを感じずにやりきりました。私自身、アイドルとして久々にステージに立ててうれしかったです!

齊藤なぎささんサイン色紙&シールをプレゼント!

齊藤なぎささんサイン色紙を1人に、「B小町初ライブ銀テシール」を3人にプレゼントします。高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「齊藤なぎささん色紙希望」または「【推しの子】シール希望」と明記の上、「学校名・学年・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。1月31日締め切り。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

映画『【推しの子】-The Final Act-』

伝説のアイドルグループ「B小町」のセンター・アイ(齋藤飛鳥)は、妊娠を隠して芸能活動を続けていた。産婦人科医のゴロー(成田凌)は、「推しのアイドル」が無事出産できるようサポートしていたが、何者かによって殺害される。再び目を覚ますと、アイが出産した双子の一人・アクアに転生していた。時はたち、高校生となったアクア(櫻井海音)と双子の妹のルビー(齊藤なぎさ)は、亡き母と同じ芸能界に飛び込む。配給・東映。12月20日(金)から全国公開。なお、ドラマシリーズはPrime Videoにてプライム会員向けに世界独占配信中。

(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 (C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

 

さいとう・なぎさ

2003年7月6日生まれ。神奈川県出身。17年、アイドルグループ「=LOVE」のメンバーとしてデビュー。23年に同グループを卒業後、女優としての活動を本格的に始める。主な出演作は、ドラマ「私たちが恋する理由」、映画「交換ウソ日記」「あたしの!」など。