紫野(京都)女子バスケットボール部は4月、大学や社会人チームも出場する京都総合選手権で初優勝した。高校勢の制覇は、女子では6年ぶり。快挙の背景には、ほかの部活との兼ね合いで体育館を自由に使えない苦境を克服する、効率の良い練習メニューがあった。
(文・写真 白井邦彦)
1/4面の練習も
週6日の練習のうち2日は体育館が使えない。残りの4日もフルコートを使える日はなく、たった1/4面での練習を余儀なくされることもある。
だが、吉田聡監督は「限られた場所をどうやって有効活用するか。列に並んでいる待ち時間をどう過ごすか。一人一人が考えて工夫すれば成長できるはず」と断言する。例えばアウトサイドシュートの練習にほかの選手のリバウンド練習を加え、シュートを打った選手が列に戻る時にはディフェンスを付けてドリブル練習も行う。複数のメニューを組み合わせて、コートの狭さをカバーする。
相手の心を読みミス誘う
紫野が目指す、頭を使った「スマートなバスケ」を体現するのが主将の上島梨紗子(3年)だ。「どれだけ練習の効率を上げても、待ち時間ができる。その間に自分のプレーを分析し、次の順番の時に反映できるようにしています」
エースの狩野希実(3年)は「相手の心理を読んで、嫌がるプレーをすることを心掛けています。戦術やポジショニングを変えながら相手のミスを誘います」とチームの長所を説明する。
TEAM DATA 部員30人(3年生11人、2年生11人、1年生8人)。全国高校総体(インターハイ)に6度、全国高校選抜優勝大会(ウインターカップ)に3度出場。 |