勉強の敵と言われがちな「スマートフォン」。ちょっとだけ触るつもりが気付けば1時間経っていた、なんて経験がある高校生は多いのでは。20歳で学習塾を創業し、4000人以上の生徒を直接指導してきた石田勝紀さんに、読者から寄せられた「スマホの誘惑に負けてしまう」という悩みに答えてもらいました。
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【お悩み】勉強をしないといけないのにスマホを触ってしまう
「受験生だから勉強しなきゃいけない」と分かっていても、モチベが保てずスマホに逃げてしまいます。勉強で分からないことを調べる時にスマホを使うのですが、その時に友人からのLINEの返信が気になったり、インスタグラムを見てしまったりと他のアプリの誘惑に負けてしまうんです。
母に「地震がきたら危ないから」と言われて、スマホは自分の机のすぐ近くに置いています。近くに置いていても触らないようにする解決策があれば知りたいです。(るぅか・高校3年女子)
「手元に置く」か「置かない」か
こんにちは。石田勝紀です。スマホは有効的に活用できる一方で、勉強の弊害になる場合もあります。まさに、るぅかさんのような高校生は少なくないでしょうね。
私からの提案は大きく分けて2つあります。スマホを手元に置かないかケースと置くケースです。るぅかさんは近くに置いても触らないようにする解決方法を希望していますが、基本的には難しいです。つまり、手元にある以上、触ることを前提に計画を組み立てる必要があります。その点も含めてお話していきますね。
【手元に置かないケース】手の届かない場所に置く
手元に置かない場合は、見る時間を決めて、それまでは別の場所に置くことをします。その際、置く場所は同じ部屋の手に届かない場所(取り出すのに面倒な場所)においても結構です。できなければ、別の部屋(リビングで学習の際は自分の部屋、自分の部屋で学習の際はリビング)に置きます。
自習室やカフェで勉強するときは、このテクニックは使えませんが、自宅であればできます。「勉強で調べる必要がある」とのことですが、アプリがほとんど入っていないタブレットかWi-Fiのみの格安スマホを買ったり、電子辞書で調べたりするようにすればいいでしょう。
地震が来たときのために手元に置いておくことは無意味ではありませんが、自宅にいるのであれば所在は明らかですし、自宅内にスマホがあるのであれば確率論的に言っても問題ないと思われます。
【手元に置くケース】スマホを見る前提で計画する
さて、るぅかさんが希望する手元に置く方法の場合、スマホを見ることを前提で勉強の計画を立てる以外方法はありません。自宅以外で勉強する場合はこちらの方法になります。
【ポモドーロ方式でやる】
ポモドーロとは、イタリア語でトマトを意味します。もともと「トマトの形をしたタイマーで25分勉強し、5分休憩の形を作ったらパフォーマンスが上がった」ということから世の中で定着した方法です。
時間配分はこの通りである必要はありませんが、タイマーで25分にセットし、25分たったら、5分休憩。それもタイマーで時間を測ります。
タイマーはスマホの機能を使います。しかし25分中に通知が来て気になることもあると思うので、「お休みモード」にしておきます。すると通知はされません。
そして、休憩時間の5分でインスタやLINEなどのチェックをします。ネットで調べる必要がある場合も、スマホはその25分間は使いません。調べものは付箋を貼っておいて、まとめてスマホを使って調べる時間内を設定しておき、そのときやってください。
本気で勉強しようと思ってる?
以上の方法をやってもスマホに気が取られてしまう場合、「自分は本気で勉強しようと思っているのか」振り返る必要があります。本気で大学受験するのであれば、どのような環境下でも、自制しながらできます。
この部分が不明確で気持ち的に本気になれないと、人はすぐ誘惑に負けます。今一度、本気でやるのかどうか、これも確認してみてください。
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いしだ・かつのり 教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』(集英社)など著書多数。