関西マーチングコンテスト5年連続出場、日本学校合奏コンクール全国大会銀賞など、輝かしい実績を持つ大阪・扇町総合高校吹奏楽部「オーギーズ OHGIES」。「音楽は楽しい」と実感させてくれる演奏が地元で評判を呼び、依頼演奏は、なんと年間100回を超えるという。 (文・写真 木和田志乃)
5月16日、地元の町内会から依頼を受けて演奏会を開催した。ステージはない。全員で路上に立ち、懐メロやジャズのメドレーを振り付きで奏でた。30人ほどの観客は、足でリズムを取ったり手拍子などをして盛り上がる。演奏終了後は、大きな拍手と「ありがとう」の声が飛んだ。
音楽を全身で表現するのがオーギーズ流。顧問の森長真仁先生の「音楽を楽しんでほしい」という思いから、今のような「魅せる」演奏スタイルになった。
部員たちは出番でない時でも、手を振って盛り上げる。ジャージー姿は親しみやすさに一役買う。指揮を務める森長先生は「いつも背中に観客の笑顔を感じます」と語る。
高木美佳子さん(3年)は中学生の時に初めてオーギーズの演奏を見た。「ジャージーと体育館シューズで演奏していました。楽し過ぎて、衝撃でした!」。部に憧れて同校を受験し、今は振り付け係として活躍する。
部には、保育園や福祉施設などからも演奏依頼が舞い込む。現在のレパートリーは、アニメ主題歌や往年のヒット曲など約20曲。この中から依頼元に合った演奏曲目を選ぶ。吹奏楽用の楽譜のない曲を指定されたときは、竹中花菜さん(3年)が譜面を起こして練習する。覚える曲が多く、「時間に追われている」と感じることもあるが、「短期集中!」と全員で明るく乗り越えていく。
部長の今西花林さん(3年)は「いっそう愛し愛される存在にするつもりです」と笑顔で語った。