東京都は8月19日、高校生向けの起業家養成プログラム「起業スタートダッシュ」のキックオフイベントを東京イノベーションベース(有楽町)で開催。高校生ら約80人が参加し、現役起業家に質問をぶつけ、高校生同士の交流も楽しんだ。
起業スタートダッシュは、高校生に将来の選択肢として「起業」の視点を持つことを促すため、起業を学べる講座の開催や生徒のサポートを行っているプログラムだ。
興味を持ったことを追究しよう
パネルディスカッションでは、株式会社マクアケの共同創業者で取締役の坊垣佳奈さん、株式会社meleapのCEO・福田浩士さんが登壇。「どうやってやりたいことを見つけたか」という質問に対して、坊垣さんは意外にも20代の頃はやりたいことが見いだせなかったという。だが、「見つかったときに実現できる力をつけたい」と考え、当時はベンチャー企業だったサイバーエージェントに入社し子会社の立ち上げを経験。事業を行う力を身につけていった。
「かめはめ波を撃ちたい」という夢を胸に、AR技術で波動弾を撃てるテクノスポーツを実現させた福田さん。少しでも興味を持つことを追究することで「新しい自分が見えてくる」と述べた。
「大変なこと」ほど後で意味を持つ
「起業で大変だったこと」について、福田さんは「常に大変だし、大変なことは山ほどある(笑)。起業家はささいなことで心が折れない人が多い」と回答。「面倒くさい、いやだなと思ったら、自分自身に『人生は短い、成し遂げないで死ぬのが怖い』という恐怖心を思い出して自分を奮い立たせている」という。
坊垣さんは「大変なことに慣れて大変と思わなくなった」。大変だと感じた経験が自分自身を成長させる明確なポイントだと言い、「大変なことほど後で意味を持つという思考法をしている」という。
モチベーションの維持について話題が移ると、福田さんは「自分は世界で一番優れている人間だ」と徹底的に思い込むと明かした。「不確実な未来に向けみんなを引っ張る。戦略を組み立てても確実なものはない。そんな中で必要なのは根拠のない自信です」
何でも楽しめる人って最強!
高校生へのメッセージとして、坊垣さんは「一度きりの人生、後悔したくない。自分が本当に心から望んでいる人生をどう歩むか。かなえる手段が『起業』ならば、hard thingsだけど頑張ってほしい」、福田さんは「人生は短いから後悔しないように。時が過ぎるのはあっという間。体力あるうちにやりたいことをやろう。夢中になってなんでもかんでも楽しめる人が最強。人生素晴らしいものになると思う」とエールを送った。
パネルディスカッションの後は、高校生が3~4人のグループに分かれて交流会を開催。「アイデアを実現させたいという意欲が同じ人とつながりたい」「同じ学校だと“均一”な人しか集まらない。周りにいない行動力がある人と出会いたい」「学校で配られた案内を見て行ってみようと直感的に思った」など、様々な動機で参加した様子。起業のアイデアやプラン、教育格差などの社会課題への想いなどを思い思いに語り合っていた。
起業スタートダッシュでは、9月にかけて起業の基礎を学べる「育成講座」を開催する。詳細は公式サイトを参照。