SDGsの目標の一つにも掲げられている「ジェンダー平等」。高校生がジェンダー問題をどう考えているか知りたいという声が編集部に寄せられた。そこで、LINE公式アカウント「高校生新聞編集部」をフォローしてくれている読者の高校生に「ジェンダー平等」についてアンケート。110人から寄せられた声の一部を紹介する。(佐々木菜緒)
男女差別、7割が日常生活で「感じる」
はじめに、社会的な性差を意味する「ジェンダー」による差別を普段の生活で感じることがあるか回答してもらった。最も多かったのは「ときどきある」の53%だった。次に「ほとんどない」が22%、「よくある」が17%と続いた。7割の回答者がジェンダーによる何らかの差別を感じているようだ。
ジェンダーによる差別を感じる場面は?
ジェンダーによる差別を感じると答えた人に、どんな場面で感じたのか教えてもらった。
■男子への「配慮のなさ」
男子からは「体育の着替えの時、女子は立派で外から見られないちゃんとした更衣室なのに、男子は教室で廊下を通る人から丸見え」(たか・1年男子)、「SNSで『男子で170cmないやつは人権ない』という投稿が話題に。冗談でも言っちゃダメ」(すふむ・3年男子)など、配慮の足りなさに関する意見が多く挙がった。女子や性別未回答者からは、「先生が怒る時、男子の方が強い口調で怒られる」(にゃーにゃ・2年)、「お菓子作りが得意な男子に『意外!』と言ってしまった」(さあや・2年女子)などの声があった。
■女子への「決めつけ」
女子からは「母に『将来結婚して子どもを産むんだから、あまりハードな仕事につくな』と言われた」(それいゆ・2年女子)、「学校や塾の先生が『女子はこの範囲が苦手な人が多い』と言っていた」(美青・2年女子)など、「女だからこうふるまうべき」という決めつけに対しての意見が多かった。「入りたかった部活が男子しか入部できなかった」(ソラ・2年)という声もあった。
男女、どちらが有利か?
次に、現代の社会において男女どちらの方が有利だと思うか回答してもらった。結果、「どちらかというと男性の方が有利」「男性の方が有利」と回答した人が合わせて73%だった。
それぞれに有利だと考えた理由を教えてもらった。
■女性の働きにくさを指摘
男性が有利だと考える理由としては、「まだまだ男性の方ができる職種が多い印象がある」(すふむ・3年男子)、「結婚して名字を変えるのは女性の方が多く、いろいろな書類も男性が最初に書かれる気がする。会社などのトップも男性の方が多いと思う」(ユミユミ・3年女子)など、仕事におけるジェンダーギャップが多かった。
■男性への制約が多い?
対して、女性が有利だと考える理由としては「男性がセクハラの被害を訴えてもあまり信じてもらえないと聞いたことがある」(あまとう・2年女子)、「女性を守るいろんな制度ができた結果、制度的には男性のほうが制約が多くなっている気がする」(あおいちご・2年女子)という声が多かった。
高校生が考えるジェンダー平等
最後に、ジェンダーによる差別について思うことや、今後男女平等に対して期待することを教えてもらった。
「『リケジョ』を増やそうとする取り組みが各所で見られるが、『女子限定』のイベントや機会は逆に男子への差別になっているように感じる」(Sowa・2年女子)の声があった。他にも「私の高校はジェンダーレスの制服を採用している。少しずつでもいいのでみんながジェンダーについて考え、差別がなくなればいい」(びくてぃに・2年女子)、「小さいころから『女の子はピンク』とか、『お母さんが家事をするのが一般的』とならないように、意識を変えることに重点を置くとよいと思う」(ひなの・2年女子)などの意見が集まった。
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