大人気グループ「SixTONES」のメンバーとして活躍する京本大我さん。高校生たちから寄せられたお悩みに答えます。「迷ったときの対処法」や「壁にぶつかったときの乗り越え方」など、京本さん自身の経験を交えながら、前向きなアドバイスを送ってくれました。(取材・中田宗孝、写真・幡原裕治)
全力を注げる選択肢を選ぶ
―高校生から質問が届いています。「優柔不断な性格で、いくつか選択肢があると必ず迷ってしまいます。京本さんは迷ったとき、どう決断していますか?」
迷っていること、考えごとがあったら、なるべく自分だけで決断しようと心掛けています。たった一人で思い悩むのは孤独な時間。でもそれって考え方を変えれば、すごく大事な時間でもあると思うようにしてるんです。
もちろん、マイナス思考になってしまう場合もあるから「大変だな」とは思うけど、一人でいっぱい悩んで決めた答えは大事にできる。それでもし結果がついてこなくても、「あれだけ悩んで出した答えなんだから後悔はない」。そう僕は割り切れる。
―いくつかの選択肢の中から、一つを選ぶ決め手はなんでしょう。
損得勘定は置いといて、無難にならない方、気持ちが乗る方、自分が全力を注げる方を選びます。後悔なくね。ただやっぱり、一人で悩んでいてもどうしようもないときは、先輩や頼れる人に相談することだってあるんです。自分の話を聞いてもらって、人から意見をもらう中で、「やっぱり自分はこうしたいかも!」というのが見つかった経験もありましたから。
「うまくサボる」のも必要
―続いての質問です。「さまざまなジャンルのお仕事に挑戦する中で、壁にぶつかったときの乗り越え方を教えてください」
好きなアーティストの曲の歌詞に励まされることはありますね。メッセージ性の強い楽曲を聞くと、「自分の人生、後悔なく生きたいよな」「周りの目を気にして遠慮はしたくない」、そんな気持ちにさせてくれます。
何にでもポジティブに向き合い続けるのは僕だってしんどい。心が疲れてしまう。これも選択になるかもしれませんが、「うまくサボる」のも必要だとは思いますね。高校時代、同じクラスだった樹(SixTONESの田中樹)と一緒に、苦手な体育の授業をサボったことだってあるし(苦笑)
「普通の学生っぽさ」意識して
―主演を務める映画「言えない秘密」では、音大生ピアニストの湊人を演じています。
監督からは「ナチュラルな演技」という意向を伝えられていたので、自然体の芝居を意識しながら撮影に臨みました。とある理由からトラウマを抱えている音大生という役どころではあるのですが、影のある内面を過度に強調した芝居ではなく、たたずまいは等身大。友だちと一緒にいるときはちゃんと笑うし、軽口も交わす人物に見えるように。
そして普通の学生っぽくなるよう、「えー」「えーと」「あっ」といったリアクションをあえて多用し、せりふに含めて言うようにしていましたね。「あっ、ちょっとまって!」とか。そうすると、せりふがよりナチュラルな言い回しになるんです。今作では、そんな芝居の見せ方を心掛けていました。
上質なラブストーリーに仕上がった
―今作ヒロインの雪乃役を演じた古川琴音さんとの共演シーンが多かったと思います。演技に関して、古川さんとはどんなやりとりがありましたか?
琴音ちゃんとは、クランクイン前から一緒にピアノ練習をしていたので、そのときから良い関係性を作れていました。ピアノ練習のときは、アクセサリー使いが上手で個性的なファッションが似合う「琴音ちゃん」でしたけど、撮影現場でまとっている空気はもう「雪乃」だったんです。
撮影本番、僕の芝居に自然に寄り添ってくれていて、自分の芝居を良い方向に引き出してくれるような感覚がありました。撮影の待ち時間も適度にコミュニケーションを取るようにして、「湊人と雪乃」の空気づくりを意識しましたね。そんな僕らの独特の空気感が、それぞれが演じるキャラクターのディテールを作っていったと思います。
―完成した作品をひと足先にご覧になっていかがでしたか。
撮影中もカットがかかると、撮れたての映像を見せてもらっていたのですが、フィルム調と言いますか、ノスタルジーを感じる映像に仕上がっていて。この作品の世界観が本当にすてきで、上質なラブストーリーでした。
実は試写で僕と共演していないシーンの、琴音ちゃんが演じる雪乃の物語を初めて見たのですが、雪乃がこんなことをしていたんだとグッときて、自然と涙腺が崩壊していました。……すてきすぎましたね。
『言えない秘密』オリジナルクリアファイルを3人にプレゼント!
高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「言えない秘密プレゼント希望」と明記の上、「学校名・学年・性別・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。7月31日締め切り。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。
-
きょうもと・たいが
1994年12月3日生まれ、東京都出身。2006年から芸能活動を始め、2015年に6人組男性アイドルグループ「SixTONES」のメンバーとなる。2020年、同グループのデビューシングル「Imitation Rain/D.D.」をリリース。個人の俳優活動では、舞台、ドラマ、映画に多数出演。6月28日公開の映画「言えない秘密」で映画単独初主演を飾り、同作主題歌にはSixTONES「ここに帰ってきて」が起用される。
映画「言えない秘密」
イギリスでのピアノ留学から帰国して音大3年生に復学した湊人(京本大我)。だが留学先で深いトラウマを抱えた彼は、ピアノから遠ざかろうとしていた。そんなある日、学内で聞こえてくるピアノの音色に引き寄せられた湊人は、演奏室で美しい旋律を奏でていた雪乃(古川琴音)と出会う。謎めいた雰囲気を持つ雪乃にひかれた湊人は、やがて彼女と親密になっていくのだが……。配給:ギャガ。6月28日(金)から全国公開。
(C)2024「言えない秘密」製作委員会