誰でも一人になりたい時や、静かに過ごしたい時がありますよね。そんな時、友達に一方的に話し続けられたら……。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに、読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた「自分の話しかしない友達がいる」という悩みに答えてもらいました。

【お悩み】自分の話しかしない友達がいる

話すスピードが遅く声も小さいうえ、自分の話しかしない友達がいます。のんびりした雰囲気なのに、複雑な家庭環境などを話してきて、気まずいです。

自分の話しかしない友達に困っている

受験生になったので、帰り道は一人で早く帰って電車内で静かに勉強したいのですが、「一緒に帰ろう」と言われると、「彼女のストレス発散のためにも聞いてあげるべきなのかも……」と思って断りきれないことがあります。自分が彼女の話を聞いてあげなくても誰かが代わりをしてくれると信じていますが、少し不安です。(せるだむ・高校3年女子)

相手優先から脱却、自分の気持ちも大事に

愚痴や自慢話を聞くのは気まずかったり、楽しくなかったりしますし、聞き続けるとストレスに感じることもあります。相手の話を聞き続けてしまう状況から抜け出すためにはどうしたらよいのか、考えてみましょう。

「相手との関係を大切にしたい」との思いから聞き役に

友達関係の中で聞き役になりがちな人は、「相手との関係を大切にしたい」という気持ちが強く、自分の気持ちが二の次になってしまうことが多いようです。関心が持てない話題であっても、ついつい相手に合わせて話を聞いてしまって、相手が気持ちよく話して会話が終わることが多いかもしれません。

コミュニケーションで大切なことは、相手の話を一方的に聞き続けるのではなく、「お互いに話ができるコミュニケーションにしよう」と自分から動くことです。こちらから質問をしたり、相手にとって話しやすい別の話題を振ったりするなど、一つの話題が続く状態を変える工夫してみるとよいのではないかと思います。

聞く以外の選択肢もある

しかし、いろいろと工夫しても気まずい話題に相手が戻してしまい、聞くことが負担に感じることもあるでしょう。その場合は、別の話題にしてほしいことや、「いま〇〇で自分は手一杯だから」と一人になりたいことを伝えるなど、自分の意思を示すことも大切です。今回のお話のように、家庭環境のことなど一人ではどうにもできないことは、身近な大人など、しかるべき相手に話をするよう勧めることも、お互いにとって大切な接し方だと思います。

聞き役になるのは責任感が強い証拠

それが分かっていても気まずい話題を断りづらい、聞いてしまうのはなぜでしょう。恐らく、「自分が助けなければ(聞かなければ)ならないのではないか」と考えやすい、責任感が強い人が多いように思います。

話を聞かないことで、自分の良心に対して負い目に感じてしまい、負担でも聞き続けてしまうことが起きます。さらに相手の苦しみに共感しやすい人は、「何とか助けたい」という気持ちにつながり、自分の負担よりも他人の苦しみを軽減することが優先されてしまうことがあるようです。どちらも大切な心の在り方ですが、聞き役の心のバランスが崩れやすい心配があります。

相手だけでなく自分の心も守っていこう

自分がしなきゃと思いこまないで

自分も相手も大切にする距離感で付き合うためには、自分がどういった考えや気持ちになりやすいのかを振り返ってみましょう。頭に思い浮かぶ「自分が〇〇しなきゃ」という「思い」に、「本当にそうかな?」と問い返しながら、背負ってしまいがちな「思い」を降ろしましょう。そして、たまには親しい人にその「思い」を口にすることをお勧めします。 

大倉智徳さん

おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務

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