普段生活している中で「ジェンダーバイアス(男女の役割に対する偏見や固定観念)」を感じたことはありますか? 私は女子校に通っていることもあり、あまり意識してきませんでした。しかし、自分の家でモヤモヤする出来事に直面しました。(高校生記者・ちゃむ=3年)

父だけ食事の準備をしない

日曜日の夕方、久しぶりに家族そろって食事をすることになり、準備をしていました。私の家族は母、父、姉、私の4人です。母は料理をし、姉と私は料理をダイニングテーブルまで運び、カトラリーを準備していました。

父だけソファでごろん…なぜ?(写真はイメージ)

その時、あることに気がつきました。父は、ソファに寝転がり何もしていなかったのです。私は「なぜ食事の準備を手伝わないのだろう」といら立ちました。でも、私も母も姉も、手伝わない父に何も言えませんでした。いら立ちながらも、「父が手伝わないのは当たり前」という雰囲気があったんです。

日常にジェンダー格差は潜む

冷静に状況を考えてみると、これが世間で叫ばれている「ジェンダーバイアス」なのではと思いました。自分とは無縁の問題だと思っていたことが、「家」という最も身近な場所にあったことに驚きました。

ジェンダーバイアスを意識しながら生活してみると、「これはおかしいんじゃない?」と思うことが増えました。例えば、芸能人の発言です。テレビ番組で野球の話題になった際、司会者が女性タレントに「女の子でも野球とか観るの?」と質問していました。

ただ、私もこれまでまったくジェンダーバイアスを意識していませんでした。なので、ジェンダー格差を感じるような発信をする人たちに悪気はなく、ただ「意識していない」だけということもわかるんです。

だからこそ、この問題は解決することが難しいのだと感じました。自らが意識していないと世の中の風潮に流されて結果的にジェンダー格差を受け入れてしまうことになるのです。

ジェンダーレスカラーの黄色の花

「見て見ぬふり」をしない

私は、ジェンダーバイアスの問題は「見て見ぬふりをできる問題」だと思います。誰かが我慢すれば、取り上げられることはありません。私も実際にジェンダーバイアスを目にして行動することはできませんでした。しかしその裏では、ジェンダーバイアスに苦しめられている人がいると想像する、まずは疑問を持ってみることでジャンダーバイアスのない社会へ一歩でも進むことができるのではないでしょうか。