学校に行きたくない原因が「先生」にあるとき、生徒はどう対処すればいいのでしょうか。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに、読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた「毎日𠮟る先生がいて学校に行きたくない」という悩みに答えてもらいました。

【お悩み】毎日𠮟る先生がいて学校に行きたくない

私の通う学校では2カ月に1度、「悩みがあるか、ないか」のアンケートがあります。いじめられたりしてはいないけれど、本当は「学校に行きたくない」と書きたいです。

2~3人のクラスメートがうるさくするせいで、私の担任の先生は毎日のようにクラス全体を頭ごなしに𠮟ります。私にとってはストレスです。隣のクラスからは笑い声が聞こえてくることが多く、「楽しそうだな、うらやましいな」と泣きそうになります。

先生が苦手で学校に行きたくない

担任には学校に行きたくないことを相談できません。親にも言いたくなくて、毎日本当の気持ちを隠して学校に行っています。隣のクラスの先生に相談することも考えましたが、新人の先生で、「私なんかが相談していいのかな?」と思ってしまいます。どうすればよいですか?(ゆいゆい・高校2年女子)

話しやすい先生に相談して大丈夫

中高生のみなさんにとって、クラスの雰囲気は学校生活の中でとても大切な要素だと思います。「居心地が悪い、居場所がない」などと感じると、学校へ行くことが苦痛になるでしょう。ゆいゆいさんもそのように感じ、誰にも話さずに我慢しているようですね。ゆいゆいさんがどうするとよいか、一緒に考えてみましょう。

話しやすい先生に今すぐ相談してみて(写真はイメージ)

まず、ゆいゆいさんの質問にストレートに答えるなら、「もちろん相談していい」です。隣のクラスの先生とお話しする機会はありますか? 話しやすい先生でしょうか。マイナスな気持ちを誰にも言わずに抱えることに、いい影響はありません。「学校に行きたくない」と思うぐらいつらい状態ですので、遠慮することなく、今すぐにでも相談してみませんか?

他にも、話してみてもいい先生はいませんか? 保健室の先生は相談にのってもらっている生徒さんが多いと思います。もしスクールカウンセラーの先生がいたら、ちょっと話してみてください。先生とはちょっと違う視点で意見が聞けるかもしれません。

いまはいろいろな先生に相談してみるといいのではないでしょうか。いろいろな人に相談すると話しやすい先生が見つかりますし、意見を聞く中で、ゆいゆいさんにフィットする考え方が見つかると思います。

相談=自分の行動を決めるための会話

相談は「いま、自分はどのように行動したらよいだろうか?」ということを見つけ出すための会話です。自分の考え方を話したり、相手の意見を聞いたりすることで、気が付くことがあり、自分の行動を決めていくものだと思います。

友達や先輩に話しても◎(写真はイメージ)

そう考えると、ゆいゆいさんも先生だけでなく、友達や先輩にいまの気持ちを話してみてもいいのではないでしょうか。先生より身近な存在ですので、ゆいゆいさんの気持ちにより共感してくれると思います。願わくは、うるさくしているクラスメートたちには、「なんで毎日𠮟られるんだろう」ということを、担任の先生には「なぜ毎日𠮟っても効果がないのだろう」ということを、誰かに相談してもらいたいところですね。

何があると「学校に行きたい」か

お話を読んで私が気になるのは、ゆいゆいさんは「何があると『学校に行きたい』と思えるのか」ということです。仮に、毎日𠮟られることがなくなったとして、あなたがどんな学校生活を送りたいのか、どんなことをしている生活がいいのか、誰かに相談する中で振り返ってもらえると、より良いように思います。少しでも「楽しい」「よかった」と思える経験ができるよう、行動してみてほしいと思います。

大倉智徳さん

おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務

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