私は中学1年生の頃、統合失調症を発症しました。そんな私にも、生きていていいんだと思える居場所や希望が今はちゃんとあります。私が、生きる希望を見つけるまでの道のりについて紹介します。(高校生記者・あゆみ=1年)
変な妄想が頭から離れない
皆さんは統合失調症という病を知っていますか? 症状は人によってさまざまですが、多くの患者が幻覚や幻聴、つらい妄想、うつ状態に苦しめられています。
この病は意外と身近なもので、100人に1人が発症すると言われています。つまり、いつ誰がどんなきっかけでなってもおかしくないんです。
私が発症したのは中学1年生で、ある日突然症状が現れました。いつも一緒にいる友達、クラスメートまで全員が敵に見えるのです。そしてその日から「みんなからこそこそ悪口を言われている」「誰かが包丁を突き刺して攻撃してくるかも」という変な妄想が頭から離れなくなりました。
中学受験した学校を中退
食欲もなくなり、やる気や気力も出ず……、腹痛、頭痛、めまい、うつも現れました。心配した家族が近くの精神科に連れて行ってくれました。初めは不安障害という診断だったのですが、徐々に幻覚や幻聴が大きく目立ち始め、そこで「統合失調症」という診断が下りました。
発症してから、中学校にはほとんど通えませんでした。中学受験をして入った私立中学を自主退学し、地元の中学校に転校しましたが、そこでも登校できた日数は少なかったです。中学卒業後は通信制高校に通い始め、現在はアルバイトをしながらレポートを進める日々を送っています。
生きる希望を見つけた
統合失調症は治ったのかと聞かれると、答えはNOです。ですが、中学の時よりはかなり症状は良くなりました。
発症してから今まで散々「死にたい」「自分は生きている価値がないんだ」と思いましたが、統合失調症の方が書かれた『わたし中学生から統合失調症やってます。 水色ともちゃんのつれづれ日記』(ともよ著、成重竜一郎解説、合同出版)という本を読み、初めて生きる希望が見つかりました。
その作者も自分の生き方について相当悩まれていたそうですが、「自分は社会で生きる人間としてのバリエーションを増やすために今まで生きている」と思ったそうです。私はまさに「これだ!」と思いました。社会にはいろいろな人が暮らしていて、誰一人として同じ人間はいません。私自身も地球で生きている人間として、一つのバリエーションになっていると思えたんです。そうやって考えると少し気が楽になりました。
アルバイト先や学校、病院の先生の理解も「生きていていいんだ」と思えたきっかけです。支えてくれる周りの方たちには感謝してもしきれません。私は地球に生きる一人の人間としてのバリエーションを増やすために、今日もハッピーに生きています。