私は大学入学共通テストの英語リスニングがとても苦手でした。せっかくリーディングがうまくいっても、リスニングが足を引っ張って偏差値が伸び悩み、高3の夏を前に「どうにかしなければ!」と奮闘。リスニングが苦手な原因をとことん考え抜いて勉強した結果、成績を上げられました。(高校生記者・あかり=3年)

英語のスピードに追い付けない…

全統共通テスト高2模試の結果。リスニングが特に苦手だった

この写真は、私が高校2年生のときに受けた共通テスト模試の結果です。リスニングの点数は100点満点中の60点。登場人物2人の対話と、複数人数での会話についての問いが課される大問6にいたっては0点というひどいありさまでした。英語のスピードに追いつけず、解いている間に振り落とされて英文の本筋がつかめないため問題を解ききれないのです。

苦手なリスニングを克服し、点数は30点以上伸びた

受験が本格化する高3の夏を迎える前から、毎日1時間コツコツと勉強したことで、模試の点数を1.5倍以上にすることができました。

できない理由を徹底分析

日本語は聞き取れるのに、英語が聞き取れないのはなぜなのでしょうか。点数を上げるにあたってこの問いにぶつかった結果、私は一つの仮説を思いつきました。それはズバリ、音が脱落したり繋がったりして聞こえる「英語のルールがわかっていないから」です。

例えば、日本語で「けーさつ」と言われても「警察」のことだとわかりますし、「おかーさん」と言われれば「お母さん」のことだと理解できます。それは私たちが小さい頃から日本語に触れ続けているからです。母語でない英語を聞き取るには、英語独自のルールをしっかり理解する必要があると考えました。

考えていては聞けない

次にぶち当たる壁は「どうやってルールを理解するか」です。共通テストのリスニング問題では、いくつか長文問題が課されます。長い文章を聞く中で、「いちいちルールを考えていては聞いている途中でついていけなくなる」と考えました。

そして、思いついたのが「考えなくてもよくなるまで慣れる」ことです。当たり前のような結果になってしまいましたが、原因をしっかり考察することで、その後の勉強でつまずいた時も目標が明確になり、勉強が進めやすくなりました。

「オペラ座の怪人」を音読して耳を鍛えた

「ルールを理解し、体に染み込むまで慣れさせる」ために私が実践した勉強法は「音読すること」です。日本語で聞き取れるのは「その単語が発音されるとどういう音になるか」や「どのような場面で音が脱落したり省略されたりするのか」を幼い頃からの経験を通して知っているからです。それらを身につけるために自分に足りないのは経験だと考えて、とにかく英語の音に触れる機会を増やそうと考えました。そのために使ったのが、『英語で学ぶオペラ座の怪人』(IBCパブリッシング、税込1980円)という本です。

『英語で学ぶオペラ座の怪人』と、劇団四季のパンフレット。大好きすぎて大阪まで見に行った

私はミュージカル鑑賞が趣味で、劇団四季が上演している「オペラ座の怪人」も何度も見るほど大好きです。音源付きの長文読解問題集はたくさん販売されていますが、自分が好きなストーリーを楽しみながら英語も学習できるという点で、この本を選びました。

受験勉強に追われる中で、リスニングの勉強は息抜きにもなっていました。毎日1時間ほど音源を聞きながら話す、ということを繰り返していましたが、ストレスなく続けられたことも成績を上げる大きな一因になったと思います。このシリーズには他にもさまざまな本がありますし、音源のついた英語の本はたくさん販売されています。本屋さんに寄ったら、ぜひ一度探してみてください。