トヨタグループ発祥の地である刈谷市に学校があり、卒業生の3分の2以上が自動車関連企業に就職する。自動車産業とともに発展してきた工業高校だけに、今までは生徒の希望に沿った就職ができてきた。しかし、昨今、全国の工業高校生がこの地域への就職を希望するようになってきており、就職激戦地になっている。
「今までは自分たちの長所をあまり意識していなかった生徒も、先輩が技能五輪出場や超難関資格取得で注目されるようになって、ずいぶん意欲的になってきました。2月には、私たちの目標だった第4 回ものづくり日本大賞の文部科学大臣賞を受賞することができ、文字通り日本一の工業高校といえるようになりました」と間瀬好康教頭。
地元企業からの信頼と連携、そこからつながる就職。「そのためにも、その基盤となる礼儀や身だしなみ、人間性の涵養、これらを一番大事にしています」と間瀬教頭は言う。
犬飼和宏君は「テストドライバーになりたい」、松田大貴君は「ホイルの設計・製造を」、尾嶋凌君は「自動車整備技術をしっかりと身に付けたい」と言う。機械科の古田直樹君は「一家、親戚のほとんどが自動車関連の仕事をしており、父親は技能五輪出場経験があります。僕の目標も技能五輪に出ること」、稲垣天君は「子どものころからの夢であるトヨタ関連の会社に」と、その夢は自動車産業と結びついているのだ。