読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に「自分の顔が嫌いすぎる」という悩みが寄せられました。どうすれば自己肯定感を上げられるのか、臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに答えてもらいました。

【お悩み】外見にコンプレックスがある

最近、初めて気になる人というのができました。しかし、自分の外見に対するコンプレックスが激しく、会話しているだけでも「相手が嫌がっているのでは」などと考えてしまいます。友人には「別に気にするほどでもない」と言われますが、正直自分の顔が嫌いすぎて鏡を見るのも億劫になります。

鏡も見たくないほど自分の顔が嫌い

顔のニキビや体形、コミュ力など、自分でどうにかできることは頑張って改善しましたが、顔立ちだけはどうにもなりません。何とかして自己肯定感を高める方法はないでしょうか。(レイン・高校1年男子)

「努力で変えられないこと」に向き合うには

だれでも外見に自信が持てないところが一つはあると思います。しかし、人によっては誰かに言われたことや冷やかしなどがきっかけで、コンプレックスになってしまうこともあります。努力では変えられない面に対して、どのような考え方でいられるとよいでしょうか。

まず私が思ったことは、レインさんは向上心があり、大切なことに努力ができる、すてきな面を持っているということです。自分で調整できることを見つけ、改善しようとする視点と行動力は何事にも代えがたい力だと思います。特に「コミュ力」はいろんな人が苦労している点ですので、改善するための努力をいろいろされたと思います。

自分の「声」に惑わされないで

外見が気になってしまう気持ちも理解できますが、気になり過ぎてしまい、レインさんのいいところ、努力してきたところが周りの人に伝わらないことは、非常にもったいないことです。自分の嫌いすぎる面を肯定することは難しいですが、自分で認められる面に目を向けること、それを分かってくれる人がいたら、それを大事にしてほしいと思います。

自分のよいところにも目を向けて

そういったすてきな面が見えなくなる要因として、恐らくレインさんの中にある、顔立ちについて「つぶやく声」が関係しているように思います。その「声」が顔立ちを過剰に意識させ、自信を失わせているのではないでしょうか。初めてできた気になる人との関係を、「つぶやく声」に邪魔されないためにも、ぜひ打ち勝ってほしいと思います。

好印象は「態度」に表れる

少し話はそれますが、人の印象は何によって影響を受けるでしょうか。印象は外見だけではなく、表情やしぐさ、声のトーンや話し方なども影響を与えます。どんなに美しい容姿でも、無表情・無反応の人であったら、良い印象は持ちづらくないですか?

表情や話し方からも好印象を与えられる(写真はイメージ)

人と接するときに、ほほえみを絶やさない、相手の顔をまっすぐ見て話す、感情を表現する、適度にうなずくなど、相手に関心を持っているあなたの心持ちが外から見ても分かる振る舞いが、いい印象につながると思います。相手に関心を持って関わろうと思う姿勢も好感が持たれ、人とのいい関係を築きやすくなるでしょう。

アピールできる面を見つけて

レインさんにとって、自分がアピールできる面はどんなところですか? 「ここは自分でもいい面だと思う」という自分づくりと、それに役立つ努力をすることも、より自信につながります。努力を続けていくと心が成長して、自信を感じることができると思います。

レインさんには、いま以上にアピールできる自分づくりを意識してほしいと思います。

大倉智徳さん

おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務

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