9年ぶりのウインターカップに意欲を燃やす

高校バスケットボール最高峰の大会、全国高校選抜優勝大会(ウインターカップ)が近づいてきた。明秀学園日立(茨城)女子バスケットボール部は9年ぶりに本選出場を決めた。チームの主力は2年生。屋台骨を支える2人の3年生と力を合わせ、上位進出を目指す。
(文・写真 青木美帆)

紙一重の全国出場

 久しぶりのウインターカップ出場権を、紙一重で奪い取った。
 9月にあった県予選決勝の土浦日大戦は、大黒柱の中尾仁美(3年)=茨城・下妻中出身=をけがで欠き、前半から引き離された。後半にじわじわと点差を詰め、残り2秒、1点ビハインドで真栄城紗英乃(2年)=同・峰山中出身=の3点シュートが決まる。直後、会場に試合終了を告げるブザーが鳴り響いた。「(40分中)39分50秒は負けていた」(筑波大監督、38)展開だった。
 今年の主力は下級生が多い。中尾と前田沙綺(3年)=同・秋山中出身=以外の3年生は全国高校総体(インターハイ)後に引退し、同じタイミングで主将が2年生の大井川明日香=福島・小名浜二中出身=に替わった。
 中尾は「一番人数の多い2年生がキャプテンになればチームは団結する。不安はなかったし、むしろ支えていきたいと思った」と話す。前田も「最初はどうコミュニケーションを取ればいいか迷ったけど、自分の思ったことは遠慮なく言うし、後輩にも遠慮なく言ってもらうようにした」と続ける。

高校生離れした落ち着き

 中学時代に県選抜として全国制覇を達成したメンバーが多数在籍し、「高校生とは思えないほど落ち着いている」と筑波監督が舌を巻く2年生は、2人の3年生が作り上げた土台の上で伸び伸びと力を発揮している。
 3年生にとっては最初で最後のウインターカップ。中尾は「(高校バスケの聖地である)東京体育館でプレーできることに感謝の気持ちを持って、コートに立ちたい」と話す。ベスト8以上を目指す。

チームデータ
 1925年創部。部員16人(3年生2人、2年生9人、1年生5人)。チームの愛称は「FourCs(フォークス)」。4つのC(Confidence=自信・チームを信じる力、Control=自制心・平常心、Concentration=集中力、Communication=共通理解・声の力)を大切にするという意味が込められている。