小林日菜向(ひなた)さん(北海道・美深高校3年)の写真作品「ズボンが勝手に!?」を紹介します。雪が積もる道路にズボンだけが「立っている」様子をとらえたこの作品は、第47回全国高校総合文化祭(2023かごしま総文)の写真部門に出品されました。どのように撮影したのか聞きました。
ズボンをぬらし凍らせてみた
―作品に込めた思いを教えてください。
なんとなく「冬にズボンを凍らせたら立つのかな」というちょっとした好奇心で、ズボンを洗濯機で濡らしてから外で凍らせ、撮影しました。
撮影が終わってからどんなテーマにしようかと考えているときに、「まるでズボンが勝手に立ってるように見える」と感じて……。見る人も同じ風に感じてくれたらな、楽しんでくれたらいいなと思っています。
マイナス5度の世界は「ヒリヒリ」
―こだわったり工夫したりしたポイントはどこですか?
周辺の家が写らないように配慮しなければいけないと思い、できるだけ画質が悪くならないぐらいの近さでズボンを撮影するようにしました。他にも被写体を目立たせるようにしたかったので、明かりがあるところで立たせて撮影したり、撮影するときにズボンが真ん中に入るようにしたりしました。
―難しかった点や苦労した点を教えてください。
撮影した日は外がマイナス5度くらいの気温でした。ズボンは思っていたよりすぐに凍ったのですが、凍ってもズボンがまっすぐに立ってくれなくて、やっと立ったと思ったらすぐに倒れてしまって……。ズボンの膝のところを曲げたりして、極寒の中ようやく立たせられました。体がヒリヒリするほど寒かったので本当につらかったです。
いろいろなアングルで撮影
―よい作品を作るためのコツや、おすすめの練習方法はありますか?
まずは「どんな風に写真を撮るか」を考えることが大事だと思います。写真は撮る角度によって印象が変わるので、いろんなアングルで撮ってみたらどんな風に撮ったらいいのかがわかると思います。