角張華乃子さん(栃木・宇都宮文星女子高校3年)の「生の命」を紹介します。ずらりと並んだ精肉パックをリアルに描いたこの作品は、「全国高校総合文化祭(2023かごしま総文)」美術・工芸部門に出展されました。作品へのこだわりや制作中のエピソードを聞きました。(文・写真 椎名桂子)

脂や筋の光を表現
―とてもユニークな作品だと感じましたが、なぜ精肉パックを描こうと思ったのですか?
昨年の総文に向けては人物を描いたので、今年は違うものにしたいと思いました。「なにか描いていて楽しいものがいいな」と考えていたところ、スーパーの精肉売り場を見て「これだ!」と感じました。
―「生の命」というタイトルも印象的です。どんな意味を込めましたか?
パックに詰められた肉であっても、これは「生命」なんだなと感じたので、このタイトルをつけました。
毎日のおかずが肉ばかりに
―難しかったところはどこですか?
脂や筋などの光っている感じを表現するのはかなり難しかったです。意外に苦戦したのはバーコードです。

―作品の制作中、印象的なエピソードはありますか?
肉のパックを描きたいように並べて画像を撮っておきたかったので、ここに描かれている肉はすべて実際に購入しています。そのため、毎日のお弁当のおかずがずっと肉続きだった時期があって、ちょっと苦しかったです。
イラストを仕事にしたい
―とてもリアルな絵を描く角張さん。昔から絵は好きでしたか?
小さい頃から絵を描くのは好きで、特に猫の絵を描くのが好きでした。中学のときも美術部に入っていて、デッサンなどをやっていたんですが、油絵を描いたのは高校生になってからです。細かい部分を描き込んでいくのが好きなので、油絵の作品を完成させていく作業はとても楽しかったです。
―これからも絵は続けていきますか?
イラストを描くのが好きなので、できればそういう道に進みたいと考えています。進路も、絵を仕事にできる可能性を求められるところを選びたいと思っています。