私は課外活動で、福島県を訪れました。東日本大震災から立ち上がり生きる人々の姿、そして震災がもたらす痛みを目にし、何を感じたか伝えます。(高校生記者・佐藤麻央=1年)
震災を「教科書の出来事」にしない
私は昨年、他校の生徒と「GOALs」というSDGsのプロジェクトに参加しました。この取り組みは、東日本大震災を「教科書の出来事」にしないことを目指すものです。
福島では、在来種の綿花をオーガニックで育て、コットン製品を作り、地元の産業として盛り上げる取り組みがあります。昨年、私たちはこの取り組みを通じて福島の今を発信したいという思いで活動してきました。
福島で綿花収穫に挑戦
実際に福島を訪れ、オーガニックコットン製品を作っている酒井悠太さんに話を伺って、綿花畑で綿花の収穫体験をしました。
綿花畑は、さまざまな種類の生き物がいる、東京ではあまり見られないような自然豊かな場所でした。収穫は半日かけて行いましたが、しゃがんで行う作業が多くて高校生でも大変でした。
酒井さんから「震災から取り残されている人々」が多くいると聞かされた時にハッとさせられました。酒井さんのように復興に向けて歩みを進める人々もいます。しかし、震災の影響を強く受け、いまだに動き出すのが難しい人々もいるのだと気付かされました。
双葉町にある震災当初の状態のまま残されている小学校や、東日本大震災・原子力災害伝承館の見学も行いました。ランドセルと「どうして私なの?」という言葉の展示を見て、誰がいつ被害者になるか分からないと、あらためてハッとしました。
震災を風化させない行動を
自分の学校の文化祭や地元のイベントなどで、コットン製品を実際に販売したり、来場者にコットンを紹介しました。
私は福島に家族や親戚がいるわけではないので、活動を始めた時は「福島に縁がないのに、自分が活動に参加していていいのだろうか」と不安に思っていました。ですが、活動を通して、東日本大震災が発生した後に生まれた世代に、東日本大震災がどんな災害だったのかを知ってほしいと強く感じました。これからも、東日本大震災を風化させないために自分から行動していこうと思います。