青山萌恵音さん(三重・飯野高校3年)の彫刻作品「90‘S」を紹介します。ミニスカートとルーズソックスをはいた高校生を表現したこの作品は、第47回全国高校総合文化祭(かごしま総文2023)の美術・工芸部門に出品されました。どのように制作したのか聞きました。

「キャピキャピした女の子」を表現
―作品のテーマを教えてください。
90年代のルーズソックスをはいていた女子高生に憧れる現代の女子高生です。90年代の女子高生の間で大流行したルーズソックス。それが今、令和の時代に再熱しています。
女子高生っていうだけでもとてもかわいいのに、ミニスカートにルーズソックスという組み合わせをしたらさらにかわいくて……。高校生の今しかできない最強の組み合わせだと思います。私は足が細くないので、理想の足を作ろうと思ったのもあって今回作品にしました。
―こだわったり工夫したりしたポイントはどこですか?
キャピキャピしている女の子をイメージして足を曲げたところです。写真を撮るときに足を曲げてピースをする姿を連想しました。私も友達も、全身の写真を撮るとき自然と曲げてしまいます。「JKマインド」大事です。
朝から夕方まで制作
―難しかった点、苦労した点を教えてください。
雌型(めがた。石膏の型のこと)から粘土を取り出すときが一番大変でした。原型の制作に時間がかかり、こまめに水分を与えていなかったことで粘土が硬くなってしまい……。型から粘土を掻き出すときに雌型を割らないようにとても気をつかいました。
―制作途中のことを思い出し、印象に残っているエピソードはありますか?
制作期間が夏休みだったことで、朝から夕方まで制作できました。私は通学に片道2時間かかります。朝から制作するために早起きをして登校しましたが、制作中に眠くなってアトリエで寝てしまうことが時々ありました。アトリエは夏でもエアコンなしで過ごせるぐらい涼しかったのでついつい寝てしまいました。
大きな作品を制作するのは初めてだったので、完成させることのイメージがなかなかつかめませんでした。しかし、先輩方や先生のアドバイス、励ましの言葉で最後まで集中して取り組み、完成させられました。
―よい作品を作るためのコツ、上達するためにおすすめの練習方法を教えてください。
「経験と知識」が一番大事だと思いました。先生や先輩方の意見をしっかりと聞いて、より多くの作品に取り組むことで自分の経験値を上げるのが上達への近道だと思います。