私は約1年半前、「低音障害型感音難聴」と診断されました。先生が大きな声で話したり、人がたくさんいる空間にいたりするとしんどくなってしまいます。この病気の当事者にしか分からないことを紹介します。(高校生記者・しー=3年)

低い音の耳鳴りが続き…

普通に高校生活を送っていた1年生の夏休み前、突然低い音の耳鳴りがありました。初めは気にしていなかったものの、数日間同じ症状が続いたことに違和感を覚え、病院に行ったところ「低音障害型感音難聴」と診断されました。

飲んでいる薬

難聴といっても、全ての音が聞こえにくいわけではありません。この病気の場合は、特に低い音が聞こえにくくなります。

病気が発覚する前、確かに、思い当たる節がありました。音楽を聞いているとき、いつもと違う聞こえ方がしていたのです。その時に症状が出ていたのは右耳だけだったので、両耳で聞くと音が二重になって聞こえました。人によって症状は違いますが、私の場合、日常生活で困ったことがいくつかあります。

人がたくさんいる空間がつらい

1つ目は、大きい音がする場所にいるとしんどくなってしまうことです。授業中先生が大きな声で話すと、その声が響いてつらくなったり、平衡感覚を失ったりすることがありました。休み時間では友達の笑い声が響いて聞こえてしまい、人がたくさんいるような空間にいづらいことも。部活は音楽部に入っていたのですが、大きい音を毎日聞く環境にいることが負担になり退部しました。

ペアワークで相手の声が聞き取れない

2つ目は、人とコミュニケーションを取りづらくなってしまったことです。授業中、特にペアワークの相手が声の低い子だと、なかなか言葉が聞き取れませんでした。今はマスクをしているのでなおさら聞き取りづらく、何度も「何て?」「もう一回言ってくれる?」と聞くのがつらかったです。

ペアワークで相手の声が聞き取れない(写真はイメージ)

病気のことを知ってほしい

この病気の原因は、ストレスや気圧の変化などといわれています。今は薬でコントロールができているので、症状が出ることは減りました。それでも、大きい音を聞くと音が響いてしんどくなってしまうことがあるので、ライブなどには耳栓を持って行くようにしています。

見た目で分かる病気ではなく、あまりメジャーな病気でもないので、説明しても理解してもらえず、悲しい思いをしたこともありました。この記事を通して、「難聴は耳が聞こえにくいだけではない」ことを知ってもらえたらなと思います。