亀井陽菜さん(岐阜・多治見西高校3年)の写真作品「私のおばあちゃん」を紹介します。虫眼鏡に映る祖母の満面の笑みをとらえたこの作品は、第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)の写真部門に出品されました。どのように撮影したのか聞きました。
「ありのままの祖母」を撮影
―作品のテーマを教えてください。
「満面の笑み」です。撮影当初は祖母の凛とした姿を撮る予定でした。ですが、祖母は明るく元気な人なので、ありのままの祖母を撮りたいと思い構図を変更しました。
祖母は笑顔で周囲の人を引きつけます。この作品を見る人が祖母の笑顔につられてくすっと笑い、小さな幸せを感じてくれるとうれしいです。
虫眼鏡で「満面の笑み」を表現
―こだわったり工夫したりしたポイントはどこですか?
祖母の笑顔を引き立たせるために、虫眼鏡を使って「満面の笑み」を表現しました。虫眼鏡のほか、「満面の笑み」を表現するために目線にもこだわりました。普段笑うときは、目線が少し上か下に向くと思います。この作品でも、目線を少し上げることで違和感が生じないよう工夫しました。あえて蛍光灯の明かりを消さないことで作品の雰囲気を柔らかくしました。
―難しかった点や苦労した点は?
撮影当初、祖母に「笑って」とお願いしていましたが、力が入ってしまい自然な笑顔を撮ることができませんでした。それまでは一人の人物の表情を撮ることがなかったので、何を工夫して撮るべきなのか、またどのように被写体とコミュニケーションを取ってよいのか分からず苦労しました。
笑いのあふれる撮影に
―制作中、印象に残っているエピソードはありますか?
この作品の制作は初めて挑む構図で苦労したこともありましたが、今までの作品作りの中で一番楽しかったです。
作品のテーマが「満面の笑み」だったので祖母を笑わせようと会話をしながら撮影しました。この写真の虫眼鏡も撮影当初は、祖母を笑わせるために使っていました。周囲にいた母や祖父もその様子を見て笑い、撮影中は常に楽しく撮影できました。
―よい作品を作るためのコツ、上達のためにおすすめの練習方法を教えてください。
独創性、ストーリー性、伝えたいメッセージを意識した構図を考え、撮影に臨むことが良い作品作りの鍵になってくると思います。自分が撮った写真の改善点を見つけ、満足するまで写真を撮り続けることもおすすめです。