村上茉愛(東京・明星2年)=東京・武蔵野東中出身=が、10 月の体操世界選手権に初出場し、女子床運動で4位に入賞した。メダルこそ獲得できなかったが、2016 年リオデジャネイロ五輪に向けて大きな自信を得た。 (斉藤健仁)

床運動で、最も難しいとされるH難度の大技「シリバス(後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり)」を決めて14.466点で4位に入賞した。

「観客の声援もあって、ノることができました。満足いく演技ができて自信になりました」 11年の夏に左膝を骨折し、体操人生で初めての大けがを経験、半年以上も競技から離れることを余儀なくされた。昨年のロンドン五輪出場はかなわず、幼少から切磋琢磨してきた寺本明日香(愛知・名古屋経済大市邨3年)の活躍をテレビで見ることしかできなかった。 復帰後は、毎月開かれる日本代表合宿で筋力トレーニングに励んできた。それが世界選手権4位の好結果につながった。見つめているのは、3年後のリオ五輪のみ。「(得意の)床と跳馬だけでなく、段違い平行棒、平均台もある程度演技できるようになって、床と個人総合でメダルを取りたい」 高校では他の生徒と同じように学校生活を送る。練習が休みの月曜日には残って勉強することが多い。「英語を頑張っています!」

 
 

世界選手権が終わってからは「学校の友達に『すごかった』と言われて、より実感が湧きましたね」と笑顔を浮かべた。

日々の厳しい練習と学校生活の両立で忙しい日々を送るが、「心の持ち方だと思います。体操を楽しむようにしています」とメンタルの強さも見せる。

「目立つのが好き!」という村上は「できるできないではなく、やるかやらないか」をモットーに、リオ五輪に向かってまい進する。

むらかみ・まい 1996 年8 月5 日、神奈川県生まれ。両親と兄姉が体操をしていた影響で、4歳から体操を始める。2012 年の全日本選手権・床運動で優勝。今年は同大会の跳馬で優勝。インターハイでは床運動、跳馬、団体総合の3冠を達成。146㌢、44㌔。(斉藤健仁撮影)