外国にルーツを持つ子どもたちは、日本語が分からないことで多くの悩みを抱えています。中でも「高校入試」は、大きな壁の一つになっています。この問題を多くの人に知ってもらいたいです。(高校生記者・Una=3年)

外国にルーツを持つ小中学生に勉強を教えた

私は高1と高2の夏休みにボランティアに参加し、外国にルーツを持つ日本語指導が必要な小・中学生の夏休みの宿題を手伝いました。子どもによって日本語のレベルが違うため、教えるのが難しいと思うことも。しかし、何が理解できて、何が理解できないかを少しずつ確認しながら説明して乗り越えられました。

スピーチコンテストで社会問題についてスピーチ

日本語が分からない小・中学生の多くが「授業が理解できない」「会話ができず、友達が作れない」「宿題や重要な連絡が分からない」という悩みを抱えています。日本語が話せても、自分の言葉で文章を書くことに苦手意識がある人も多く、読み書きが等しくできるわけではありません。

ボランティアに参加した際は、書けない漢字や読めない漢字を書いたり読んだりして教え、難しい日本語は簡単な英語にして教えたりしました。

高校入試で地域格差があると知り

日本で進学を希望する中学生には「高校入試」という壁があります。国内には海外から移住してきた中学生や、日本語を母語としない中学生に特別な入試対応を行っている都道府県があります。しかしその対応は全国共通ではなく自治体に委ねられているため、入試の枠の有無や受験資格、検査内容が異なり地域格差が生じています。

例えば、都立入試の検査内容は「作文及び面接」となっています。使用言語は日本語か英語に限られています。一方、大阪府は日本語と複数の言語の使用が可能とされています。都立入試の場合、母語が日本語でも英語でもない小・中学生は不利といえます。

制度を見直してほしい

今一度高校入試を見直し、自治体や地域による格差をなくすとともに、教育環境を整備する必要があると考えています。世間で認知度が低いこの問題を、たくさんの人に知ってもらいたいです。

ボランティアの参加証明書

そして高校生であっても、問題解決に取り組むことができます。ぜひ一度、外国にルーツを持つ子どもを助けるボランティアに参加してみてください。