学力アップの強い味方である参考書。高校生は、実際にどんな参考書を使っている? どの参考書を使えばいいのか、選び方はとても重要。高校生新聞の読者である高校生を対象に行った「使っている参考書」に関するアンケートを参考にしながら、紀伊國屋書店新宿本店で参考書売り場を担当する牛込由貴絵さんに「売れ行きの古文の参考書」の話を聞きました。新学年に向けて、ぜひ参考にしてみて!(吉田るな=大学生ライター)
ロングセラー&人気シリーズ
【1】古文参考書のロングセラー
古文上達 基礎編 読解と演習45(Z会)
ロングセラーであることに加えて、牛込さんによると「最近さらに人気が急上昇中」とのこと。基礎を学べる「集中講義」「練習問題」と、その上で行う「実戦問題」で構成されている。高校生からは「解説がとても分かりやすく、古文読解に必要な知識を身につけられる」(3年)、「文法を確認した後に、実際の入試問題で実践できる」(3年)との声が上がる。基礎固めに向いているため、高校低学年にも人気なほか、共通テストや中堅大の入試を突破する程度の実力を養える。
【2】人気の「実況中継」シリーズ
望月光 古典文法 講義の実況中継(1) 改訂第3版(語学春秋社)
実況中継シリーズの「現代文」とセットで使用する人もいるそう。古典文法について「何をどう覚え、覚えたことがどう役に立ち、何が必要で何がいらないか」を解説していて、初心者にもわかりやすい。
【3】レベル別シリーズが豊富
大学入試 全レベル問題集 古文(1)基礎レベル(旺文社)
古文以外の教科も刊行されている参考書でありながら、紀伊國屋書店新宿本店では古文が一番人気。基礎から大学受験対策まで、それぞれレベル別に刊行されている。一冊のページ数が薄めなので、とにかく参考書をやり切って勉強したい人におすすめ。1冊につき10題程度掲載されており、「説話」「物語」「日記」「随筆」「評論」という古文の5ジャンルを幅広くカバー。
人気講師が分かりやすく解説
【4】アニメタッチのイラストで読みやすい
岡本梨奈の1冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本(KADOKAWA)
スタディサプリ講師・岡本梨奈先生による古典参考書。アニメタッチのイラストで、キャラクター同士による掛け合いもあり、スラスラ読める。古文に堅苦しいイメージを持ってしまいがちの人におすすめだ。牛込さんによると「高校1~2年生に人気」だそう。古典文法の全範囲をカバーでき、各パートが「基本の確認」から「解説」「基本問題」「応用問題」の流れで構成。要点を確認してから問題演習に取り組め、予備知識ゼロから始めても入試標準レベルまで到達できる。
【5】入試に出るポイントを厳選
古文 ヤマのヤマ(学研)
東進ハイスクールの人気講師・三羽邦美先生による「とにかく無駄のない」参考書。入試に頻出の文法のポイントが厳選されており、解説を読んだ上で演習ドリルを解くというプロセスを繰り返すため効率的だ。牛込さんによると「最近爆発的に人気に火がついている」そう。助動詞と主要助詞の一覧もついていて、振り返りに便利。
スキマ時間に勉強
【6】古典単語を網羅的に学べる
読んで見て聞いて覚える 重要古文単語315四訂版(桐原書店)
通学時間などの、ちょっとしたスキマ時間に復習ができる古文の単語帳。見出し語が315語、関連語が221語、慣用句が94語も収録されているため、古典単語を網羅的に学べる。随所にイラストがあり、改訂版には動画もついているため、視覚的にも覚えられる。
ドリル形式でポイント押さえる
【7】書き込み可能なドリル
ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル 三訂版(河合出版)
問題集として書き込みができるドリル形式。全30項目が掲載され、それぞれ見開き2ページで完結。重要ポイントを押さえながら短期間で網羅できる。入試の古典文法で得点を取るために使われることが多く、既に古典をある程度勉強している人におすすめ。