学力アップの強い味方である参考書。高校生は、実際にどんな参考書を使っている? どの参考書を使えばいいのか、選び方はとても重要。高校生新聞の読者である高校生を対象に行った「使っている参考書」に関するアンケートを参考にしながら、紀伊國屋書店新宿本店で参考書売り場を担当する牛込由貴絵さんに 「売れ行きの現代文参考書」の話を聞きました。新学年に向けて、ぜひ参考にしてみて!(吉田るな=大学生ライター)

高校生に人気の「現代文の参考書」は?

人気&ロングセラー

【1】大人気の一冊

現代文キーワード読解(Z会)

現代文の参考書の中でも大人気の一冊で、頻出のテーマやトピックを単語ごとに解説している。小さめサイズのため、通学時間で読むのにピッタリ。実際に使っている高校生からは「主題に沿ったキーワードを丁寧に解説してくれる。文章もついており、使われ方や意味などがしっかりと把握できる」(2年)といった声が上がった。

【2】幅広い世代に人気のロングセラー

出口 汪 現代文 講義の実況中継1(語学春秋社)

共通テスト対策にもなる参考書。論理的読解方法から、小説・随筆など現代文をさまざまな種類に分けて解説しており、文章の種類によってコツがまとまっているのが魅力。牛込さんによると「かなりのロングセラーで、高校生だけでなく大人でも読解力の向上のために使っている人が多いほど汎用性の高い論理力を得られる」とのこと。

現代文を基礎から学べる

【3】現代文を「論理的」に解ける

船口のゼロから読み解く最強の現代文(学研プラス)

現代文読解の「正しい基本」を代々木ゼミナール講師・船口明先生が解説している一冊。つい、フィーリングや「なんとなくの感覚」で解いてしまう現代文にこそ必要な「論理的解法」を説明している。特に「具体と抽象」や「対比」など、文章の構造がひと目でわかるようになるのがポイント。さまざまな読解問題も掲載されているので、実践の良い練習になること間違いなし。

丁寧な解説が魅力

【4】河合塾と連携、実用性の高さが人気

入試現代文へのアクセス 基本編(河合出版)

現代文を正しく読む方法だけでなく、頻出問題の解法の説明やキーワードを詳しく記載。掲載内容の幅広さが特徴だ。牛込さんによると「河合塾との連携もあるため、かなり実用的なことが人気の一つの理由」、高校生からは「解説が丁寧」といった声が上がった。現代文の文章の「読み方」という基礎から勉強できる一冊。

【5】「絶対に頓挫させない仕組み」が特徴

大学入試 ゼロから覚醒 はじめよう現代文(かんき出版)

スタディサプリ講師・柳生好之先生による参考書。現代文を始めて勉強する高校生や、現代文に大きな苦手意識を持っている人に向けた現代文の「超入門書」として人気。特に他の参考書と異なるのは「絶対に頓挫させない仕組み」だ。例題、実践問題を解いた後に「覚醒ポイント」と呼ばれる解説が入る構成で、一つ一つの問題が理解しやすいため最後までめげずに取り組める。

大学受験対策にぴったり

【6】レベルに応じて受験対策

大学入試問題集 柳生好之の 現代文 ポラリス・POLARIS 1 基礎レベル(KADOKAWA)

スタディサプリで大人気の柳生好之先生による参考書で、シリーズ全3冊刊行されている。志望大学に合わせた問題集選びが可能なところが最も特徴的だ。今回紹介する1巻では中堅私立大、中堅国公立大対策が可能。2巻ではMARCH・国公立大・最難関私立大・上位国公立大対策の基礎固めに、3巻では早稲田・上智・最難関国公立大の受験対策に対応している。1対1で授業を受けているような感覚になる解説が人気の理由の一つ。別冊にはさまざまな大学の入試過去問演習もついているため、自分のレベルが知れる。