人生初めてのボランティア活動にチャレンジしました。私が行ったルーマニアは、EUの中でも貧しい国の一つで、孤児も多くスラム街もあります。実際に貧困問題を目の当たりにして感じたことをレポートします。(高校生記者・kate=1年)
経済発展が進まないルーマニアへ訪問
昨年、ルーマニアの貧困地区へ支援活動に行きました。英語がほとんど通じないことが経済発展が進まない理由の一つとも言われています。
最初に、長年人種差別を受けているロマ民族(中東欧に居住する移動型民族)の子どもたちが通う小学校を訪問。8~9歳の児童に、折り紙でハートの折り方を伝えながら、形の英単語を教えました。
苦戦している子もいましたが、完成したときは皆笑顔でうれしかったです。親から十分に愛情を受けていない子どもが多いせいか、すぐになついて、ハグなど積極的にスキンシップしてきました。
シェルターで暮らす高校生と交流
授業後、私と同世代の子たちが、DVから身を守るために中高校生を預かる学童保育のようなシェルター施設に集まってきました。そこで、各ボランティアが通訳を通して「自分の国」を紹介。私が「日本には『夢の国』がある」と東京ディズニーランドを紹介すると、皆興味を持って聞いてくれました。
小学生と比較すると高校生は雰囲気が暗く、私たちの活動にも反応が鈍かった印象。幼い頃より貧しい中で差別や虐待を受け、自分の置かれている境遇を理解できる年齢になり、自分の望む将来を諦めた無気力からでしょうか。彼らが恵まれていたら夢や希望を持って生きられるのにと思うと、胸が痛みました。
スラム街にゴミ箱を設置
翌朝、スラム街でゴミ箱を設置。貧困の現実を自分の目で見ました。ひどい臭いでマスクを2重にしてもつらかったです。外国人を見たことがない住民が多く、視線からさまざまな感情が伝わってきました。不思議そうに見る子どもたち、にらみつける大人もいました。
ロマ民族の住むエリアだけ道路が舗装されていないなどの差別もあり、私たちを行政スタッフと勘違いした住民から差別への怒りをぶつけられもしましたが、諦めずゴミ箱を設置しました。
ゴミだらけの川を清掃
最後に住民たちのゴミであふれていたスラム街の川へ。貧しい住民たちはゴミをゴミ箱に捨てることを教えられていないので、プラスチックや食べかす、粗大ゴミも見つかりました。
住民たちは、私たちを好奇の目で見ていました。1時間後、地元の子どもたちがゴム手袋をもらいにきてゴミ拾いを手伝い始めました。その後、手伝う子どもたちは増え、大人たちも家から出て私たちを見守り、住民と気持ちが通じ合ったような気がしました。ゴミ拾いが終わると、子どもたちがはめていたゴム手袋を地面に捨てていて、びっくりしましたが、「ゴミはゴミ箱に捨てようね」と教えたら、はっとした表情の後、笑顔で手袋を拾ってゴミ箱に捨てていました。
発展途上国の貧困地区に住む人々の暮らしを実際に見て、子どもと関わりながら、何が支援となるのか考えさせられました。またボランティア活動で訪れたいと思います。