現在、中学校に入学する段階で受験をする人が増えています。小学生にとって、受験に向けて勉強することは大変な経験だったはずです。今回は、それを乗り越えた中学受験経験者の高校生記者3人に語り合ってもらいました。前回の記事はこちらから。(司会・構成 川本采季)

親の干渉が強くなりがち

―高校受験との違いは何だと思いますか?

C(2年女子) 不合格でも地元の中学校に入学できるというところでしょうか。親の干渉は中学受験の方が強い気がします。

―「親の干渉が強い」と言いますと?

C 中学受験はまだ幼い小学生がするものなので、親の干渉が多いように思います。中学受験のドラマでも、親が子どもに自分の希望を押し付けるシーンがありますよね。

―中高一貫校の学校生活には何か違いがあると思いますか?

A(2年女子) 中学受験をして一貫校に入ったら、同じ部活動も5、6年間活動できます。大学受験への準備をじっくりできます。

C 私の中学校では、部活は基本中学と高校で別々に活動していました。Aさんのように中高連続で同じ部活を続けられるのはすごく魅力的です!

高校受験ないと中だるみしがち

―高校受験がないと生活にどう影響すると思いますか?

B(1年女子) 高校に上がるタイミングで新しい環境に慣れる必要がないところが楽です。

C 大学受験の準備期間が長いのはいいですが、高校受験をしないので中だるみはしてしまいますね。

A そうですね。高校受験をしている子たちよりも緩くなってしまう部分はあるのかなと思います。危機感があまりないので、家に帰ってもダラダラしてしまったり、定期テストまでまだ大丈夫かな?と思ってしまうことです。

C 地元の中学校に進学した友人と比べ、自分はいっぱい遊んでいたし、学校行事も全力でした。楽しかったのでいいのですが、少し中だるみしていたなと感じます。

B 私も小学校からの友達と一緒に勉強しているときは特にそう実感します。これは私だけかもしれないんですが、高校受験をしている人の方が中学で習う英文法などの基礎が固まっている気がします。

意識的な差を感じたことはそこまでありません。具体的なエピソードはなくて、強いて言えば中学受験した側が勝手に不安というか、劣っているという意識を持ってしまっているだけなのかなとも思います。

高校受験がないと中だるみしてしまう?(写真はイメージ)

友達と強い絆が生まれる

―中学受験のメリットは何だと思いますか? 

C 中学受験をして新しく出会った人たちは、今ではかけがえのない友人です。住んでいるところも小学校もバラバラだからこそ、刺激があるし、いろいろな人と関われるのでとてもいいです。中学受験をしてよかったなと思います。

A 同じメンバーの学年と6年間過ごせることです。

B 中高合同で部活をやるので、多くの先輩後輩と仲良くなれることだと思っています。

C 中高のつながりがあるのはとてもいいですよね! 年齢関係なく関われるのがすごくメリットだと感じます。

A たしかにそうですね。絆の深まりを実感できます。部活も中学高校つながっているので、一貫校じゃない部活よりも、長い時間を共に過ごすので、絆は強いです。また、年が少し離れているので、知らない情報や、進路について先に聞くことができます。そして、中学1年生は高校3年生をお姉さんだと思っているので、先輩との信頼関係や憧れが芽生えてきます。

―中高一貫だと絆が深まるとのことですが、それをデメリットに感じることはありますか?

A 過去の自分のことを知ってる人が多いことです。恥ずかしいエピソードも、知られてしまっているまま6年間過ごします。

C 同じメンバーでどんどん仲良くなるので、新しい友達付き合いがおっくうになる人が多いことです。

B 新しい環境に触れる機会が少ない。部活で他校と交流することはあるので、その機会を大切にしています。特に私は女子校なので、共学にしとけばよかったと思うこともたまにあります(笑)

新しい友達付き合いがおっくうになることも…(写真はイメージ)

―たくさん遊びたい小学生の時期に受験勉強をするのは、本当に大変なことのようですね。ですがその苦しみを乗り越えた先には、中高一貫校に通うからこそ得られる楽しみがあるようです。