現在、中学校に入学する段階で受験をする人が増えています。小学生にとって、受験に向けて勉強することは大変な経験だったはずです。今回は、それを乗り越えた中学受験経験者3人の高校生記者に語り合ってもらいました。(司会・構成 川本采季)

きっかけは親のすすめ、女子校への憧れ…

―まず中学受験をすることになったきっかけを教えてください。

A(2年女子) 母が中学受験を薦めてくれました。母や祖母、叔母などが中学受験をしていた影響もあったと思います。

B(1年女子) あまり細かくは覚えていないのですが、当時苦手な男の子がいて「女子校に行ってみたい」と思ったのがきっかけです。

C(2年女子) 私も母に勧められて受験をしましたが、「自分でもチャレンジしたい」という思いがありました。

―今の学校を選んだ理由は何ですか?

A 学校の雰囲気がよくて、自然に恵まれているからです。学校説明会に小学校6年生の時に行った際、生徒の方が優しく学校について教えてくれました。キラキラしていて、すてきで、私もこの先輩のようになりたいと思ったんです。学校には築山があります。小川が流れていて、コイがいます。タヌキやリス、珍しい鳥などがたくさん。植物の種類も豊富で、季節の移り変わりを自分の目で感じ取れます。

C 私は自分の興味のあるコースがあり、オープンスクールに参加して「この学校に通いたい!」という思いが大きくなったからです。

B 家から遠くない範囲にある女子校で、小6のぎりぎりに受験を決めた私でも入りやすそうな偏差値のところを塾の先生におすすめしてもらいました。

学校の勉強と塾を両立する日々

―塾にはいつ入りましたか?

B 確か小学6年生の秋ごろ。もともと漢字や作文が好きだったことから、母に文系コースへの受験をすすめられ、オープンスクールに行き、塾に入りました。

A 小学4年生の夏休みから入りました。

C 小学6年生の夏期講習からです。

 中学受験では塾での対策がメジャー(写真はイメージ)

―塾では具体的にどのような勉強をしていたのでしょうか?

C 土曜日の夕方に国算の授業を受けていました。算数はほぼ問題演習で、国語は作文と読解です。宿題は多く、作文はほぼ毎週出ていました。

A 国語、算数、理科、社会を学びました。国語は、みんなと読解をしたり漢字のテストをしたり、読解問題集を解いていました。算数は、学校の先取りだったり、応用問題を解きました。理科は、暗記をしたり問題演習をしました。社会は、暗記をすることはもちろん、時事問題を解きました。

B 私は受験を決めたのが遅かったのもあって、国語と数学の2科目受験にすると決めました。なので、得意な国語を除いて数学のみに絞って塾に通っていました。学校でやらない、受験に出やすい問題を中心に演習していました。集団ではなく個別の授業だったため、わからないところはひたすら質問しながらやっていました。

塾の勉強ストレスを休憩時間で発散

―小学校のころから塾に通うのは大変じゃなかったですか?

C 塾の勉強が難しすぎたことと、宿題が多すぎたことはつらかった……。一緒に塾に通っていた同じ小学校の友人がいたので、その子と一緒に勉強することで分からない問題は教え合い、協力しました。

A  集中力を保つことがつらかったです。妹がいて、妹が遊んでいると私も遊びたくなってしまいます。なので、母と「ここまで終わったら休憩」というように、やることが終わったら休憩をこまめに取るようにしていました。私の塾は、難関校を受ける子がたくさんいて、勉強が難しかったです。なので、自分の志望する学校に合う問題をピックアップして、解いていました。

B 勉強は特に嫌いではなかったのですが、それまで宿題以外に勉強する習慣がなく、体力的に疲れてしまいました。けれど通い続けるうちに慣れてきて、わからなかったことがわかるようになるのが楽しいと思うようになりました。

―勉強の合間や休憩時間にしていたことはありますか?

A 小さい頃から好きなお人形に癒やされていました。とてもかわいい女の子で、一緒に寝ていました。気休めになっていたのは、妹とお人形と一緒にごっこ遊びをしていたことです。とても楽しくて、リフレッシュになりました。

B 本を読むのが好きだったのと、当時人気だったゲーム「妖怪ウォッチ」にハマっていたので、癒やしを求めて読書やゲームをしていました。特に、青い鳥文庫(児童向けの小説)の本が大好きでした。

C 私はカリカリと真剣に勉強できるタイプではないので、塾の仲間と教え合ったり、一緒にご飯を食べたりするのが自然と息抜きになっていました。

きょうだいと遊ぶのが心の支えに(写真はイメージ)

中学受験は親や先生とのチーム戦

―受験生の時、一番支えてくれた人は誰ですか?

C 塾の先生はとても優しくしてくださったので心の支えでした。試験前日に、合格祈願のパッケージのカイロをくれたことがとてもうれしかったし、お守りになりました!

B 一番はやっぱり親です。精神的な面では友達に支えられたことが多かったけど、勉強の面では塾の先生だけでなく親もサポートしてくれました。私のお母さんは、毎日私のために問題集や過去問をプリントして机の上に置いてくれていました。まだ小学生で、塾と学校の宿題以外に何をやっていいかわからなかったのでとても助かりました。

小学校のころから友達には恵まれて、彼女たちのおかげで毎日学校に行くのが楽しかったです。何でもないような話をしているだけで心の支えになっていました。

A 私も親です。勉強を夜まで見てくれて、応援もしてくれて、たくさんサポートしてくれました。塾の先生には、勉強の進め方をサポートしていただきました。国語が苦手で、点数が上がらずに悩んでいたとき、先生が問題集を見てくれたり、面談をしてくれて、勉強状況を確認してもらいました。

親は、私が算数で難しくてわからないときに、ヒントを出してくれたり、解説を一緒に読んで理解を深めてくれました。塾のテストで悪い点数をとったときには、慰めてくれました。

―中学受験は高校受験や大学受験以上に、周りの人の支えで必要なのかもしれません。両親・友達・先生とのチーム戦ですね。

(続きます)