水野祥太さん(静岡・静清高校3年)の写真作品「感染爆発」を紹介します。眼鏡とマスクを着けた水風船を破裂させ、その瞬間を収めたこの作品は、全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)の写真部門に出品。どのように撮影したのか聞きました。

「感染爆発」(第46回全国高等学校総合文化祭 とうきょう総文2022 写真部門出品)

広がるコロナを写真で表現

―作品のテーマを教えてください。

2021年の夏休み、コロナ感染症の影響で部活動の活動自粛を余儀なくされました。感染が爆発的に拡大し、制御できない状況を写真で表現できないかと思い、部員同士でアイデアを出し合って撮影を計画しました。

8月下旬、ほんのわずかな時間だけ活動が許可されたときに、部員みんなで協力して撮影しました。

―こだわったり工夫したりしたポイントはどこでしょうか。

必要な物は全て100均で調達しました。風船に水を入れるため水飲み場の近くで、さらに空の開けた場所を見つけるのに苦労しました。

背景に余分なものが写り込まないよう、空をバックに低い位置から見上げるように撮影しました。風船に水を入れられるだけ入れたのでかなり重かったです。3人で持って、1人が針で破裂させました。

連写し破裂の瞬間捉える

―難しかった点、苦労した点を教えてください。

連写機能を使っても、タイミングが合わずに、破裂する瞬間をうまく捉えることができません。風船の破裂した瞬間を狙って交代で20回ほど連写を繰り返して撮影し、全員で合計370枚ほど撮影しました。

連写した写真の中から、破裂した瞬間が写っているものをいくつか選定して、最終的に選んだ1枚がこの作品です。

―よい作品を作るためのコツ、上達のためにおすすめの練習方法を教えてください。

撮影対象は問いません。とにかくいろいろなものをたくさん撮影することです。プロのカメラマンも「量は質を生む」と言っています。

また、シャッターチャンスを逃さないことです。常に周囲をよく観察して、「シャッターチャンス」と思ったら、細かいことを考えずにとにかくシャッターを切ることです。