悩み 古典の勉強方法を教えて

古典の予習方法が分かりません。教科書ガイドに載っている現代語訳を写していますが、テストになると分からなくなります。(高校2年女子)

回答 予習で訳して授業で修正する(プロ家庭教師・吉永賢一先生)

 古典には、古文と漢文がある。古文は、昔の日本語。漢文は、昔の中国語。だから、古文は日本語の一種として、漢文は外国語の一種として、勉強法を考えていくのがコツなんだ。

そして、それぞれ、本文を解釈できるようになることと、文法や文学史などの関連知識を覚えることの2つに分けるとやりやすくなる。古文と漢文で勉強法が異なるから、順に解説していくよ。

古文は単語で区切って訳す

古文の解釈を勉強するときには「逐ちく語ご訳やくが大体可能」なことに注目するんだ。逐語訳っていうのは、一単語一単語を訳していくこと。

だから、予習でノートを作るときには、単語ごとに区切りながら、本文を少しずつ写していく。そして、単語ごとに辞書などで調べて、その右横に現代語訳を書いていこう。逐語訳が難しくて、語順を変えざるを得ない場合は、マークを付けるなどして目立たせておく。 関連知識については、文法の解説も含めて、ノートの別のページにまとめる。

授業のときには、教科書には書き込まないで、ノートに書いていく。誤っていた訳があれば、ノートを修正しよう。関連知識の解説があれば、それもノートに書き加える。そして、復習のときには、教科書を見ながら一単語ずつ現代語訳を声に出してチェックする。

漢文は句法がポイント

漢文については、日本語と語順が異なるから、「句法」を使って処理することになる。

予習の第一段階としては、白文を写していく。これは、句法ごとに区切るようにする。そして、その左横に、句法とその解説を書いて、さらにその左横に返り点と送り仮名つきの本文を書き、その漢字や熟語の右横には、その現代語訳を書いておく。関連知識は、別の場所にまとめる。

授業では、古文と同じようにノートを修正する。復習のときには白文を見て、まず句法を見抜けるようにする。次に、口頭で現代語訳をしてチェック。

古文も漢文も、関連知識については、何も見ないで言えるかを確認する。解釈も関連知識も、なかなか覚えられない箇所があれば、カードを作って繰り返すといいよ。

 

よしなが・けんいち 1971年生まれ。東京大学医学部家庭教師研究会代表。群馬県立前橋高等学校卒業、東京大学理科Ⅲ類(医学部)に入学。著書に『東大家庭教師が教える 頭が良くなる勉強法』『東大家庭教師の子供の頭が良くなる教え方』ほか。公式サイトはhttp://yoshinagakenichi.com/