悩み 物理の勉強方法は?

物理の勉強方法が分かりません……。授業では、ただ問題を解くだけで、頭に入りません。いい勉強法はありませんか? (高校2年男子)

回答 3ステップで問題は解ける(プロ家庭教師・吉永賢一先生)

物理の問題を解く順序は、ほとんどの場合、次の2つの段階から構成されている。

(1)物理で立式する。(2)数学で解く。

もちろん、これ以外にも、用語の意味を問う問題などもある。

そして、前半の「物理で立式する」段階は、さらに3つのステップからできているんだ。物理量の書き出しから

(ステップ①)物理量の書き出し。問題文を読んで、どのような状況か理解し、「物理量」を読み取る。最初のうちは、問題文から読み取れる「物理量」を、全て書き出して一覧表を作るといい。「物理量」というのは、単位があって、数字で測れるもののことだ。また、「その問題固有の関係式」が、問題文に書いてあることもあるから、それも書き出す。

(ステップ②)未知数を設定しながら、関係式を書く。このステップでは、物理量同士を結びつける式を書いてゆく。この「関係式」(例えば、運動方程式)は、基本的には問題文中には書いてないから、事前に学習しておく必要がある。そして、式を書こうとすると、欲しい「物理量」が与えられていないときも多い。そんなときは、その物理量を文字でおいて、とにかく関係式を書いてしまう。

(ステップ③)式を追加する。先ほど書いた式の数と、未知数の数を比べる。式の数の方が少なければ、見落としている関係式があるから、問題文を良く読んで、式を追加する。 物理の問題演習をしていて、間違えたときには、これらのステップのどこで間違えたのか、いつも考えるクセをつけてほしい。覚える公式は減らせる こうやって解いていく以上、新しい範囲を学ぶ際には、「何が物理量か」「それらには、どのような関係式があるか」を意識して学べば良いことになる。そして、「物理量の関係式」には、「物理法則(その他の式から導出できない)」と「物理公式(物理法則を、数学を用いて変形すれば導出できる)」の2種類があるから、この両者も区別しながら学ぶんだ。物理公式を物理法則から導出できるようにしておけば、覚える公式の数を減らすこともできるよ。

よしなが・けんいち 1971年生まれ。東京大学医学部家庭教師研究会代表。群馬県立前橋高等学校卒業、東京大学理科Ⅲ類(医学部)に入学。著書に『東大家庭教師が教える 頭が良くなる勉強法』『東大家庭教師の子供の頭が良くなる教え方』ほか。
公式サイトは http://yoshinagakenichi.com/