悩み 英語が苦手です

英語が苦手です。オーラルなどのコミュニケーション英語やリスニングは得意なのですが、ライティングやリーディング、文法問題はひどいものです。(1年女子)

回答 文法を理解し例題演習を(吉永賢一先生)

現在の日本の英語教育では、ライティングやリーディングにおいて、本当に読みたい英文の内容を「リーディング」したり、自分が心から伝えたいことを効果的に「ライティング」したりする練習は、ほぼ行われていないことが多い。もしかすると、君の学校は違うかもしれないけれど、今のところ、多くの学校現場ではそうなっていると思うので、その方向で話を進めるね。

そうなると、ライティングやリーディングでも、実質的に問われていることの多くは「英文法」に関連するということになる。そして、その採点基準は、「意味が通じるか」と言うよりも、「文法のルールを覚えているか、守っているか」に重点が置かれているんだよね。 すると、効果的な得点の上げ方は、時制や準動詞、仮定法などの文法項目の「ルール」を理解した上で、例題を演習してゆくことになるんだ。

だから、まずは、英文法の基本的な「ルール」をわかりやすく説明してくれる参考書を書店で探してみるといいと思うよ。それを読むと、リーディングやライティング、文法問題でどんな文法のルールが問われているのか、それとも、語法が問われているのか、「見える」ようになってくる。

語法については、丸暗記しなければいけない面も多いけれど、基本動詞や前置詞のイメージを理解することで覚えやすくなることも多いから、工夫してみてほしい。

勉強することは世界を美しくすること

今回は、この3年間の連載の最終回なので、総まとめに相当する内容も書いておきたいから、読んでみてね。

ぼくは、こうして「勉強を教える」仕事をすることになったけれど、それはもちろん、それが、この世界をもっと美しくすることにつながると思えたからなんだ。

「勉強なんて苦しくて、何が美しさなんだろう」と思う人もいるかもしれないけど、まず「勉強」について考えるのでなくて、先に「良いことって何だろう」「美しいことって何だろう」と考えてみてほしいんだ。

そうすると、それをこの世界に実現してゆくためには、自分も勉強しなくちゃならないし、少なくとも、志を持つ人には、勉強を伝えてゆきたいと思う気持ちがわかるかもしれない。

何をすべきで、何をするべきじゃないのか、「考える」ことなくして示されることはないと思うし、「考える」力を高めるためには、勉強はとても有効だ。

だから、「自分の頭で考える」ことを大切にして、知力を高める貴重な機会として「勉強」を活かしてほしいんだ。ここまで読んできてくれて、本当にありがとう。

 

 

よしなが・けんいち 1971 年生まれ。東京大学医学部家庭教師研究会代表。群馬県立前橋高等学校卒業、東京大学理科Ⅲ類(医学部)に入学。著書に『東大家庭教師が教える 頭が良くなる勉強法』『東大家庭教師の子供の頭が良くなる教え方』ほか。公式サイトはhttp://yoshinagakenichi.com/