高校時代に多くの時間を過ごすことになる部活。どれを選ぶかは大事です。私は高校2年生の時に吹奏楽部に転部しました。人間関係など不安がありましたが、今とても充実しています。(高校生記者・にゃむ=2年)

新型コロナで大会中止「もう吹奏楽はしたくない」

私は中学3年間、吹奏楽部でサックスを担当しました。吹奏楽コンクールは、3年生が引退する節目の大事な大会でした。

ですが私が3年生の代、2020年は新型コロナの流行によりコンクールは中止され、私たちはそのまま引退することに。中止が決まった時、私の同期の一人が言った一言が胸に突き刺さりました。

「コンクールがないなら、やる意味ないじゃん」

私は「あぁ、私たちがやってたものって、こんなにも薄っぺらいもので、こんなに簡単に壊れてしまうんだ」という悲しさ、悔しさ。何より失望が大きかったです。その時から、「もうこんな思いはしたくない、もう吹奏楽は続けない」と決めていました。

千葉県文化会館。今年で改修工事に入ってしまうため、私たちの代はここでの最後のコンクールでした

高校入学、運動部に入部したけれど

4月になって、同じ中学の人が誰もいない私立高校に入学。相変わらず新型コロナ流行で部活動説明会はなく、各部活が作った紹介動画を見るだけでした。

私はこれまで運動に無縁の生活を送ってきました。ですが、紹介動画の中に一つだけ、ものすごく目を引く運動部があり、単純な私は体験入部1日目で入部を決意。仲良しの同期ができて、優しい先輩が一から教えてくれて、普通の高校生活を送っていました。それでも、ずっと何か物足りなさがありました。

聞こえてきたメロディー

冬休みが終わり、3学期に入って間もなくのこと。部活後に忘れ物を教室に取りに行った時、トロンボーンがパート練習をしていました。聞きなじみのある「銀河鉄道999」のメロディーを吹く姿を見て、なんだか少しうらやましい気持ちがわいてきたのです。

千葉県文化会館から見える千葉城の写真。新型コロナ流行前のコンクールではこのお城をバックに集合写真を撮影した

私は「あと1年半しか部活動ができる期間はないのに、このまま意地を張ってていいのか、本当にやりたいことは何なのか」考え始めました。本格的に考えてから3日というスピードで転部したんです。同期も先輩も、顧問の先生も、みんな応援して、快く送り出してくれました。高校2年生の4月。「高校吹奏楽部1年生」として、また私の吹部生活が始まりました。

失敗を恐れずチャレンジしてみて

私は「転部」を選びましたが、過去の自分が運動部を選んだことを後悔していません。初めから吹奏楽部に入っていたらできなかったような体験ができたし、たくさんの出会いがありました。転部するときに一番不安だった人間関係も、入ってしまえば案外なじめてなんとかなりました(笑)

もしも今、何かに挑戦したいけど一歩が踏み出せない、という人がいたら、失敗を恐れずぜひチャレンジしてほしいです。きっと自分の世界がもっと広がるはずです。