世の中を変える「よいアイデア」を発信する米国発のトークイベント「TEDxKeioHighSchool」が3月13日、神奈川・慶應義塾高校で開催された。スピーカーとして登壇した4校の生徒7人が、グローバル化の意味や、最先端の情報の世界などをテーマに思いを語った。(野村麻里子)=学年は開催時
■米国発イベント、生徒が実現
TEDxは、世界中の人たちがインターネットを通じて視聴するなど人気がある、米国発祥のトークライブイベント「TED」の精神に基づき、世界各地の団体が独自に開催しているイベントの総称。福井一玄君(慶應義塾高校2年)は、慶應義塾大学で行われたTEDxで話した経験から「高校生の発表の場も増やしたい」と発案。同校の開設70年事業として実現した。
開催には米国のTED本部の許諾が必要だったが、福井君はスカイプを使い、英語での交渉に成功。福井君が実行委員長を務め、生徒約40人が運営した。
■国際交流、IT…多彩な発表
生徒は、約10分ずつ話した。医師を目指す慶應義塾志木高校の佐藤正幸君(3年)は、日本と米国の高校生が京都で2週間共同生活をする「AIU米国高校生国際交流プログラム」の経験を発表した。同じ夢を持つ米国の高校生とルームメイトとして本音で語り合う中で「人と深く関わり、思いをさらけ出すことから逃げていた自分に気付いた」という。「グローバル化は相手を深く知ろうとすること。英語は本質ではない」と力を込めた。
経済産業省から「スーパークリエイタ」(IT分野で特に卓越した能力がある人)に最年少で認定された竹田聖君(慶應義塾高校1年)は、触ることができる3D映像など、最先端の情報の世界を紹介。「プログラミングは、情報をほかの分野につなぎ、新しい何かを生み出せる」と訴えた。
慶應義塾女子高校、慶應義塾湘南藤沢高等部を含む4校から、高校生クイズ優勝者や文学賞受賞者ら多才な生徒が堂々と発表した。卒業生5人も話した。