自分の理想の将来像は明確ですか。良い大学、学歴にとらわれて受験勉強をしていませんか。私は、全く検討していなかった大学に進学したことで、「理想の将来像」を見つけました。「志望校に進学することがすべてではない」ことを、体験をふまえて紹介します。(ぷれっつぇる=大学3年)
第1志望に不合格、唯一受かった大学へ
私はお洋服が好きで、服飾ビジネスに関心があり、経営学部を志望していました。
しかし、「服飾の経営を学びたい」と考えていた私は、幅広い経営学中心の授業になる志望校とのギャップを徐々に感じ、受験勉強中は目標が曖昧な状態になりました。受験に前向きになれず、勉強も怠った結果、志望校は不合格。唯一受かった大学は、全く視野にも入れていない大学でした。
しかし、その大学の授業は「大好きな服飾中心」だったのです
服飾ビジネスの業界を深く知れた
私は「ファッション販売論」という、販売する上で必要な接客や提案のコツを学ぶ授業を通して、販売の基礎知識を習得。アパレル業界の実際の接客を学びたいと思い、インターンシップに参加しました。
そこで「お客さまのニーズ」に合うだけでなく、「付加価値」の提案が大事だと実感しました。例えば、ワイシャツの場合、「お客さまに似合っています」のひと言に加えて、「しわが付きにくいですよ。お手入れも楽ですよ」とお客さまの生活を想像して接客。すると、顧客満足度も、売り上げも伸びます。経営の数字(売上)を作り出す上で必要なベースとなる考えを学べたのです。
大学での学びが就活での強みに
付加価値をつけて提案するためには、「どの繊維にストレッチ性があるのか」「洗濯による伸び縮みが少ないのか」など衣服の専門知識が必要で、私は常に大学で学修しています。
視野が狭かった高校生のころは、「どの業界でもビジネスに関わるなら経営学部で学ぶしかない」と考えていました。しかし、まずはその業界を理解し、そこから経営の思考に展開していくのもひとつの切り口であると感じました。
就活中の現在、服飾業界の専門知識がある私は、経営学部出身者とは差別化ができ、強みでもあると実感しています。
「私は受験に失敗していない」
私は受験に失敗したとは思っていません。志望校に進学できなくても、大学生活は充実し、好きなことを学び、好きなことをできている今の私は、受験成功者だと思っています。
サークル活動やアルバイトに積極的に取り組み、限られた時間の使い方を学びました。第一志望校ではなかったからこそ、「次こそは」という気合いがあり、大学では人一倍努力し、成績上位者に入っています。
「理想の将来像」にはさまざまな切り口からアプローチできます。志望校でなくても、その学部でなくても、学びたいことは学べます。大学生活は、入学後に自発的に行動すればするほど実りのあるものになります。