運動部に所属していた高校2年の春、左膝の靭帯(じんたい)断裂という大きなけがをしてしまいました。これから自分たちの代が中心となって頑張ろうとした矢先のことです。そこからどう立ち直ったかをお話ししたいと思います。(高校生記者=マーブル・3年)

部活の練習中にけが、松葉づえ生活に

私は運動部に所属していました(今はもう引退)。高2のとき、練習中に着地をミスって膝から「ぐき」って音がしました。ものすごい痛みで立ち上がれず……診断は、左膝の靭帯損傷。しばらくは松葉づえで生活しなくてはなりませんでした。

病院から借りた松葉づえ

生まれて初めてこのような大けがをして、「まさかこんなことになるなんて」と、とてもびっくり。痛かったけれど、その時は驚きの方が勝っていました。

初めは「松葉づえ楽しー!」とさえ思うことも。ですが、普通に歩けている人を見て、「うらやましい。早く普通に歩きたい」と願うようになりました。

私はこのけがから「歩ける」ことは素晴らしいと痛感しました。本やTVなどでよく言っている「大切なものは失って初めて気づく」とはこのことかと思いました。

もしもあの時…「たられば」志向は無駄

私が一番つらかったのは部活動ができないことです。けがをしてから、部活にはマネージャーとして参加していました。「私もみんなと一緒にやりたいけど、できない」「もどかしい。苦しい」「なんであの時けがしちゃったんだろう」「もしけがしなければ、今頃みんなと同じように……」と何回も何回も考えました。

ですが、「たられば」を考えている時間は「すごい無駄!」。これが私の一番伝えたいことです。「もしあの時」なんて思う時間は生産性が全くありません。過去に起こったことを受け止め、「今」これからどうするべきかを考えたほうがずっと良いと思います。だから前向きに考えようと努力しました。

もちろん、けがをしなければ…と「たられば」で考えてしまうことは1年以上たつ今でもあります。でも、それ以上にこの先のことについて目標を持っています。けがしてからはとにかくリハビリを頑張りました。今も頑張っています。

「次につなげる」意識を大切に

靭帯は一度損傷すると自然治癒することはありません。切れたら切れたままです。治すには手術をする必要があります。私は、この靭帯再建の手術を受けました。手術とリハビリのおかげで歩くことも走ることもできます。ただ正座はできないので、今は正座できるようにリハビリを行っています。

松葉づえのあと、使用しているサポーター。今は運動するときだけ使用している

残念ながら競技復帰はできず、高校の部活はけがで終わってしまいました。悔しいけど仕方がないことだと割り切りました。今の目標は、このままリハビリを続けて高校を卒業した後、大学に進学し、そこで競技を再開することです。

大切なのは気持ちの持ちよう、考え方だと思います。もし、けがで苦しんでいる人がいたら「次につなげる」ということを意識してほしいです。