選挙権が18歳まで引き下げられましたが、若者の政治への関心の低さが話題になることもあります。政治とかかわる上で大切なことは何でしょうか。高校時代に政治活動に参加して考えた「大切なこと」を伝えます。(ゴーン=大学2年)

ある政治団体に熱狂し

僕は政治について考えるときに、高校時代に実際に政治活動に参加してみた経験が大きな教訓になっています。

僕の家は、父親が新聞記者。お茶の間でも政治問題を話すことが多い家でした。父の話に相づちを打つうちに、僕も政治的な問題に興味を持つように。それが最高潮に達したのが、高校1年の秋のことでした。

インターネット上の演説動画を見て、その政治団体に興味を持った

その頃、僕はある政治団体をとても推していました。インターネットで動画を見てその団体のことを知りました。動画を見ると興奮する気持ちになり、「自分こそがこの真実を、この歴史を伝えなければならない」そう思わせる内容でした。その団体が、地元で街頭演説をするということで、僕も見に行ってみることにしました。

ののしる姿に「なんか違う」

「仲間」の人たちには「若いのにすごいね、君のような人間が若者にいてうれしい」と言われました。ただ、僕はというと、演説を通して違和感をありました。というのも、演説をすることを聞きつけて集まっていた、その政治団体に反対するグループの人に対して、仲間の人たちが口汚い言葉でののしっていたからです。

演説に参加するも、何か違う…(写真はイメージ)

反対グループの人たちも同様でした。もちろん、それは僕がネットで見た動画の中で飛び交っていた言葉で、それに熱狂して来たはずでした。でも、画面越しに見る光景を、いざ自分がやるとなって、違うと思ったんです。

それ以来僕は、政治的なことを言うとき、誰かを傷つけたり、断定的なことを言ったりしないようにしています。

心のブレーキを持って

僕がこの経験から学んだこと。それは、実際にやってみて「思ってたのと違う」ということがあること。情報を得る方法を動画だけなど一つのメディアに偏らないこと。何かにのめり込んだり、「それこそが~だ」と考えたりするときは、立ち止まって一歩引いてみて考えること。どうか心のブレーキを持って、政治について考えてみてください。