最近の経験から、乗り越えようと思っても乗り越えられることばかりではないと実感しました。乗り越えられないならそれなりに受け入れられるまで待てばいいし、それができないならそのままでいい、と思えたエピソードを書きます。(高校生記者・リンゴ=1年)

人に迷惑をかけることが怖い

私の嫌いなことは、人に迷惑をかけること。誰かの足を引っ張る、自分の失敗で誰かにとっての楽しみや利益がなくなることがとても怖いです。その思いは年々、強くなっていきました。すぐに謝る癖もついてしまい、初めは「謙虚だね」と言ってくれたクラスメートも、今では何も言いません。

人の足を引っ張りたくない…(写真はイメージ)

高校1年になってすぐのオリエンテーションの時のこと。私の学校は中高一貫校で、クラスの皆の顔はもちろん知っています。けれど、半分以上が初めて同じクラスになった人で、緊張しました。

クラスの仲を深めるためにと、最初にやったのは大縄跳び。一人でも引っかかると記録無効になるルールで、とても憂鬱(ゆううつ)でした。「引っかかっちゃったらどうしよう。1年間やっていけるかな」、そんな不安にとらわれていました。

大縄跳びで失敗、舌打ちされ

1回目の練習を終えた後、私はいつも通り「ごめんね。私は、何もできないから迷惑かけちゃう」と言いました。相手は「大丈夫だよー」と言ってくれます。いつも通りの返答で、私は少し安心しました。

その安心がいけなかったのか、私は縄に引っかかってしまいました。しかも、回数も多く跳んでいた時でした。「ごめん」と謝ると笑顔で「大丈夫ー」と言ってくれたものの、私が前を向くと隣の友達と一緒に舌打ちされました。

相手の「大丈夫」が信じられない

私は運動神経が悪いです。体育の時間にバレーボールをしましたが、できないと迷惑がかかるチーム対抗戦なので、気分は最悪でした。

けれど、これは授業。やらない訳にはいきません。いつも通り、先にみんなに謝ります。「ごめんね。私は、何もできないから迷惑かけちゃう」

体育は嫌だけど、やらないわけにはいかない…(写真はイメージ)

「大丈夫だよ」とクラスメートは言ってくれるものの、私は信じることができません。舌打ちされた過去にとらわれ、誰のことも信用できずにいます。「どうせ、邪魔だと思われている」、そう思ってしまいます。

自分のことを受け入れたい

このことがあってから私は人の言葉をそのまま受け取ることができません。堂々としていたいと何度も思いました。今も思っています。ですが、乗り越えることはできていません。

けれど、乗り越えられないなら、それなりに自分のことを受け入れていけばいいかな、と思っています。