私は中学時代、「人より優れたい」からと、できる限り勉強していました。高校受験の際、試験中の失敗で学んだ「合格よりも大切なこと」について共有します。(高校生記者・ゆりがらす=1年)

「勉強だけは人より優れていたい」

私は中学3年間、テストの成績は常に学年トップクラス。5教科494点を取ったこともあります。ですが、自分の成績に心から自信を持てませんでした。それは「他人軸」で勉強していたから。

受験期のノート。スタディプランナーで勉強の管理をし、模試では毎回結果を分析して課題をまとめていた

私の中学校はさまざまな分野で活躍する人が多く、その中で帰宅部だった私は「勉強だけでも人より優れていたい」と思ったのです。そして3年間、できるかぎりの時間を勉強に費やしました。

でもそれは、「他人よりも成績が悪ければ自己否定に陥ってしまう危険な考え」だったのです。うすうす気づき悩みながらも、テストでトップの成績を取れることがうれしくて、人と比べる考え方はやめられませんでした。

入試本番、焦って大失敗

考え方を変えられずに迎えた入試本番、私は数学で大きく調子を崩してしまいます。というのも、数学のテストが難しかった上に人と比べてしまったからです。周りがクラスメートばかりで「この問題、後ろにいるあの子なら解けるよな」と思い浮かび、焦ってしまいました。

結局他の教科で調子を立て直せず、実力を出しきれないまま終わりました。

受験当日に使ったリュック。塾からいただいたお守りをつけて臨んだ

家に帰り、号泣。そして自分なりに入試を反省しました。「人は人、自分は自分」と普段から割り切って、「自分軸」で勉強できていなかったことが調子を崩した原因だと痛感しました。

「人と比べない」ことが大事と痛感

高校には何とか合格し、今その学校に通っています。高校では部活動を兼部して、充実した生活を送っています。

先日行われた部活動の大会では、入賞はできませんでしたが、自分の改善点を見つけられた良い機会だと感じました。このように思えたことが、私が成長した証拠だと思っています。

高校でのテストも、大会のように、成績以上に自分の成長を大切にしたいです。「人と比べないこと」。私が高校受験で得た、合格よりも大切なことです。