東日本大震災から11年。学校では避難訓練が必ず行われています。しかし「訓練だから」といって緩んでいませんか? 学校の避難訓練で感じた危機感と小学校でのエピソードを紹介します。(高校生記者・まじめがね。=3月卒業)
本番さながらの避難訓練に緊張
私は小学1年生のときに、東日本大震災を経験しました。その後、学校では「本番に限りなく近い」避難訓練を行うようになりました。小中学校では年に3回、そのうち1回は抜き打ちでの実施で、休み時間に流れる緊急放送の情報をきちんと聞くよう教えられました。
火事か地震か聞き取り、地震の場合は机の下に隠れ、火事の場合は口元をハンカチでおさえることができるか。火元などを確認し、適切な避難経路を選べるか。5分以内に校庭に整列完了できるか。私にとってはものすごく神経を使う出来事でした。
先生もおしゃべり、緩すぎてばからしい!
避難訓練はこのようにやるのが当たり前だと思っていた中、私は高校で衝撃を受けました。事前に連絡を受けることはまだわかるのですが、授業中に実施する避難訓練でも、開始まで時間がある中、授業を終了して避難の放送を待ち始めるのです。外に出てみると毎回並び方が違っており、同級生も先生方も周りの人と話をしていました。
あまりの緩さに、本気でやっている自分がばからしく思え、腹立たしい気持ちでいっぱいでした。
命を守るのは勉強よりも大切だよ
皆さんの中にも「上履きが汚れるのが嫌」「訓練だから」という気持ちになる方はいませんか? 私も小学生の頃は、周りに流されて訓練中に話してしまうことがありました。ですがその時校長先生から「訓練は本番だと思いなさい。自分の命を守ることは勉強よりも大切です。あなた自身が真剣に取り組むことは周りの命を救うのです」というお話がありました。
自分の命を守るための大事な訓練を、いったいどれくらいの人が本気でやっているでしょうか。緩んできている今、何のために避難訓練があるのかを一人一人が考えていくべきだと思います。
また、先生方にも、一度避難訓練の意義を考え直していただきたいです。避難訓練は逃げる側だけでなく、指示する側の訓練でもあります。先生方も気を抜かずにやっていくべきだと思います。