大学進学。それは人生の中で大きな決断を迫られる時期だと思います。私はずっと憧れていた第一志望に合格しました。しかし、行くことがかないませんでした。(高校生記者・すおの=3月卒業)

AOで絶対第一志望に行きたい

私が通っていた高校は大学の付属校です。他大学進学よりも付属大学進学という風潮が強い中、私は他大学進学を希望しました。先生たちもあまり知らない「AO入試」を使って受験する予定でした。

一般入試向けの模試も受けていたのですが、あまり点数は伸びず、一般入試に回ったら浪人する可能性が高かったので、「絶対にAOで決めてやる」という思いを持っていました。そのために、レポートも志望理由書も、いつもはやりたくない課外活動も、AOでの合格のためにずっと準備を進めていました。

レポートのために勉強したことを書いたノートと資料をまとめたファイル

先生のアドバイスで自信なくし

9月の段階で、付属大学への進学は考えていませんでした。リスクは大きいですが「AO入試で確実に決める、絶対に一般入試にはいかない」という思いを持っていました。志望理由書やレポートも完成し、残すは出願だけでした。中でもレポートは、私の「好き」と「興味関心」を全て込めた自信作でした。

そんな頃、塾の先生から、以前別にやっていたテーマのレポートで出願するべきだと勧められました。そのことで「自分の自信のあるレポートではいけないのか」と一気に自信を無くしました。同じ頃に学校の先生からも付属大学進学を勧められ、意志の弱い私は混乱して精神的に弱ってしまいました。

結局「安全」な付属大学へ

毎日のように泣いて迷い、塾の先生の勧めた別のテーマの方が合格の確率は上がるのではないかと考えました。そこで新たにレポートを書き始めましたが、調べても全然楽しくなく、苦しいだけでした。思うように書けず、そのレポートは完成しませんでした。

その後私は「安全策」という名目で付属大学への進学を決めました。同時に「合否は関係ないから」と、元々自分が作っていたレポートで第一志望校を受験した結果、合格しました。

出願書類と証明写真。たくさん撮り直した写真は1枚しか使わず、出願も1校だけに

自分を信じていたら…今も思い悩む

付属大学は、進学が決まれば蹴ることはできません。私はずっと憧れていた大学に合格したにもかかわらず、行くことがかないませんでした。

まさか合格するとは思ってもいなかったので、うれしい反面「どうして自分を信じられなかったのか」と悔しく思いました。数カ月たった今も、なぜ自信を持てなかったのかと考えて、ひどく思い悩むことがあります。

進路選択のときは確かに怖いけれど、自分の気持ちを大切にして、後悔のないような選択ができることが大切だと思います。